金刀比羅宮 東京分社

金刀比羅宮東京分社

(平成17年撮影)

金刀比羅宮東京分社は、文政2年(1819)板橋市左衛門が屋敷内に金毘羅大権現を勧請して祀ったことに始まる。明治13年(1880)公認の神社となり、明治21年(1888)神田和泉町に遷り、讃岐金刀比羅宮の境外末社となる。明治26年(1893)深川古市場町に遷座。昭和20年(1945)戦災で焼失し、御神霊は本宮の旭社に仮奉安された。昭和39年(1964)高松藩松平家の邸内社を起源とする水道橋金刀比羅神社と合祀、再興された。
文京区の神社

正式名称 金刀比羅宮 東京分社〔ことひらぐう とうきょうぶんしゃ〕
御祭神 大物主神 倉稲魂神
社格等 旧無格社
鎮座地 東京都文京区本郷1-5-11 [Mapion|googlemap]
公式サイト http://www.konpira.or.jp/
東都神社御朱印集
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御朱印

  • 金刀比羅宮東京分社の御朱印

    (1)

  • 金刀比羅宮東京分社の御朱印

    (2)

(1)平成17年に拝受した御朱印。朱印は「讃岐金刀比羅宮東京分社印」。

(2)平成23年拝受の御朱印。朱印は「讃岐金刀比羅宮東京分社印」だが、書体が変わっている。

昔の御朱印

  • 金刀比羅宮東京分社の御朱印

    (1)

(1)昭和15年、深川の金刀比羅神社(金刀比羅宮東京末社)の御朱印。朱印は「讃岐金刀比羅宮東京末社」。

御由緒

金刀比羅宮東京分社拝殿

御祭神

■大物主神
■倉稲魂神

戦前の資料を見ると、深川金刀比羅神社の御祭神は大物主神と崇徳天皇、水道橋金刀比羅神社の御祭神は大国主神となっているものがある。

由緒(歴史)

金刀比羅宮東京分社は、「水道橋の金毘羅さん」と呼ばれる讃岐金刀比羅宮の直轄境外末社。深川にあった金刀比羅宮の境外末社と、高松藩松平家上屋敷の邸内社を起源とする水道橋金刀比羅神社を合祀している。

深川の金刀比羅宮末社は、文政2年(1819)下板橋宿の板橋市左衛門が所有地内に金毘羅大権現を勧請したことに始まる。その後、周囲の人々の信仰を集め、明治13年(1880)無格社・金刀比羅神社として公認された。

明治17年(1884)板橋宿の大火により社殿焼失。明治21年(1888)神田和泉町に遷座し、金刀比羅宮の境外末社となった。明治26年(1893)深川区古石場に移転、明治34年(1901)正遷座祭が執り行われた。しかし、大正12年(1923)の関東大震災により社殿が焼失。昭和5年(1930)再建されたが、昭和20年(1945)の東京大空襲によって再び焼失し、御神霊は讃岐の本宮境内・旭社に仮奉安された。

昭和30年代になり、崇敬者の要望により、松平頼明氏から寄進された現社地に再興することになった。この辺りは高松藩松平家の下屋敷跡で、社地は松平家ゆかりの水道橋金刀比羅神社があったところである。

金刀比羅宮東京分社切絵図

駿河台小川町絵図(部分)〔国会図書館デジタルコレクション〕

水道橋金刀比羅神社は、寛政5年(1793)高松藩上屋敷(現在の飯田橋辺り)の邸内社として勧請された。天保9年(1838)の『東都歳時記』の毎月十日金刀比羅参の項に虎御門外京極家御藩邸(虎ノ門金刀比羅宮)や薬研堀の金刀比羅神社(現在は神田神社の境内末社)とともに「小石川御門内高松家御藩邸」が記されている。

明治4年(1871)本郷元町の下屋敷に遷座したが(現在の都立工芸高校の辺り)、大正12年(1923)の関東大震災で社殿が焼失したため、昭和5年(1930)現在の場所に社殿を再建した。しかし昭和20年(1945)戦災によって再び社殿が焼失し、御神霊は巣鴨の松平邸内に奉安されていた。

昭和33年(1958)仮殿を造営して松平邸内の御神霊を遷座。さらに昭和39年(1964)現在の社殿が竣工、本宮旭社に奉安していた御神霊を遷し、両社を合わせ祀って正遷座祭が執り行われた。

補足

『平成「祭」データ』には正式名称:金刀比羅神社、通称:金刀比羅宮東京分社として掲載されているが、平成28年時点で東京都の宗教法人名簿には名前がない。この間に体制が変わり、独立した宗教法人ではなくなったと思われる。

写真帖

  • 金刀比羅宮東京分社水道橋稲荷

    水道橋稲荷

  • 金刀比羅宮東京分社鳥居

    鳥居

  • 金刀比羅宮東京分社手水盤

    手水盤

  • 金刀比羅宮東京分社拝殿

    拝殿

  • 金刀比羅宮東京分社社号額

    社号額

  • 金刀比羅宮東京分社本殿

    本殿

メモ

水道橋駅のすぐ近く、白山通りから東へ一本入った通りに、狭いが緑あふれる境内がある。隣接する宝生能楽堂や都立工芸高校を含む一帯が高松藩の下屋敷跡である。因みに、東京ドームや後楽園のあたりには高松藩の本家である水戸藩邸があった。

金刀比羅宮東京分社の概要

名称 金刀比羅宮 東京分社
旧称 金刀比羅神社
御祭神 大物主命〔おおものぬしのみこと〕
倉稲魂命〔うかのみたまのみこと〕
鎮座地 東京都文京区本郷一丁目5番11号
創建年代 文政2年(1819)板橋市左右衛門奉斎の金刀比羅神社創建
寛政5年(1793)高松藩上屋敷の邸内社創建
社格等 旧国幣中社金刀比羅宮境外末社/旧無格社
例祭 5月19日・20日
神事・行事 1月10日/初十日祭
2月3日/節分祭

交通アクセス

□水道橋駅(都営三田線)より徒歩3分
□水道橋駅(JR)より徒歩5分
□本郷三丁目駅(丸ノ内線)より徒歩7分
□本郷三丁目駅(大江戸線)より徒歩8分
□後楽園駅(丸ノ内線・南北線)より徒歩8分

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