川之江八幡神社 | 愛媛県四国中央市

川之江八幡神社

川之江八幡神社は、推古天皇8年(598)切山(金生町山田井)に宇佐八幡宮より御分霊を勧請したことに始まる。治暦元年(1065)源頼義が伊予国内八ヶ所の八幡宮とし、畠山(川之江町塩谷)に遷座した。正保3年(1646)の火災で焼失した後、亀嶋の現社地に再び遷座する。江戸時代には川之江藩主・一柳直家や松山藩主・土佐藩主の崇敬を受け、明治13年(1880)には県社に列した。

正式名称 八幡神社〔はちまんじんじゃ〕
通称 川之江八幡神社〔かわのえ はちまんじんじゃ〕
御祭神 足仲彦尊 誉田別尊 息長足姫命
社格等 旧県社
鎮座地 愛媛県四国中央市川之江町2527 [Mapion|googlemap]
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目次

御朱印

  • 川之江八幡神社の御朱印

    (1)

(1)平成20年拝受の御朱印。中央の朱印は「愛媛縣社伊豫宇摩郡川之江村龜島宮鎮座 八幡大神御璽」。川之江八幡神社の県社昇格は明治13年(1880)、川之江村の町制施行が明治31年(1898)なので、この間に作られた印だと思われる。左下の印は「山田郷総鎮守 川之江八幡宮」。

御由緒

川之江八幡神社社頭

御祭神

■足仲彦尊(仲哀天皇)
■誉田別尊(応神天皇)
■息長足姫命(神功皇后)

由緒(歴史)

川之江八幡神社は、宇摩郡山田郷の総鎮守。社伝によれば、推古天皇6年(598)宇佐八幡宮の御分霊を切山(霧山とも。四国中央市金生町山田井、平家の落人伝説で知られる)に勧請したことを創祀とする。江戸時代以前は正八幡宮と称し、別当は真言宗の大岡山遍照院宝積寺であった。

康平7年(1064)国司の源頼義が伊予国内八ヶ所の八幡宮の一社として畠山(四国中央市川之江町塩谷)の頂上に社殿を造営、翌治暦元年(1065)遷宮を行った。この時、沿道の村民は悉く氏子になったと伝えられる。

中世には、後醍醐天皇の命を受けて畠山に城を築いた由良兵庫守吉里、戦国時代に川之江城主となった妻鳥采女や河上但馬守安勝などが深く崇敬、安勝は畑300石を寄進した。しかし天正10年(1582)長宗我部元親と河上安勝が戦い、長宗我部軍が火を放ったために焼失。その後は仮殿で祭祀が行われ、ようやく寛永3年(1626)に再建された。

正保3年(1646)再び火災に罹り、尊円法親王(伏見天皇の第六子で四天王寺別当・天台座主を歴任)の御宸筆と伝えられる「正八幡宮」の門額を残して全焼、旧記等も焼失したという。

慶安2年(1649)大庄屋・三宅七右衛門家経が中心となり、水の便を考えて亀嶋の現社地に遷座、再建。慶安4年(1651)には家経が一の鳥居(四国中央市指定文化財)を奉納している。

嘉永4年(1851)三度目の火災に見舞われ、随神門を残して灰燼に帰した。安政5年(1858)8ヶ村の氏子の協力が協力し、精緻な彫刻が施された壮麗な社殿が再建された。

江戸時代も川之江藩主・一橋直家や歴代松山藩主の崇敬を受けた(一橋直家の没後、川之江は天領となり、松山藩の預かりとされた)。安政の再建の際には、松山藩主松平隠岐守が数百の供を伴って参拝したという。また弘化3年(1846)には土佐藩主・山内豊煕が参勤交代の海上安全を祈願して土佐燈籠一対を奉納している。

明治元年(1868)神仏分離令により宝積寺が廃寺となり、境内から本堂・鐘楼などが取り払われる。明治5年(1872)郷社に列格し、明治13年(1880)県社に昇格した。

昭和23年(1948)秋祭りに奉納する太鼓台の喧嘩のため金生地区が氏子から分離、旧荒神社に当社の御分霊を祀り、金生八幡宮として独立した。

昭和60年(1985)随神門の改築、拝殿・西門の改修を行った。

一柳陣屋門

寛永年間(1624~45)川之江藩主であった一柳氏の陣屋の表門と伝えられる。一柳家が播州小野に移ったとき、宝積寺に移築されたと考えられている。

二階建て入母屋造で、一階の左が門構え、右が詰め所、二階は2室に分けられている。二階建ての陣屋門が残っているのはここのみという。

川之江秋祭り

秋祭りには太鼓台12台と関船1隻が奉納される。川之江秋祭りと称し、当社の他、金生八幡宮など旧川之江市内の神社も同日に行われて、多数の太鼓台で街中が祭一色に染まるとのことである。

写真帖

川之江八幡神社社頭

社頭

川之江八幡神社社号標

社号標

川之江八幡神社一の鳥居

一の鳥居

川之江八幡神社狛犬

狛犬

川之江八幡神社宮川と参宮橋

宮川と参宮橋

川之江八幡神社二の鳥居

二の鳥居

川之江八幡神社参宮橋

参宮橋

川之江八幡神社随神門

随神門

川之江八幡神社狛犬

狛犬

川之江八幡神社西参道の鳥居

西参道の鳥居

川之江八幡神社潮見燈籠

潮見燈籠

川之江八幡神社忠魂碑

忠魂碑

川之江八幡神社神馬

神馬

川之江八幡神社天満宮

天満宮

川之江八幡神社境内社

境内社

川之江八幡神社狛犬

狛犬

川之江八幡神社狛犬

狛犬

川之江八幡神社拝殿

拝殿

川之江八幡神社本殿

本殿

メモ

JR川之江駅から徒歩5分ほどのところに鎮座する。参道の途中に宮川を渡る石の参宮橋があり、その先に随神門がある。慶安年間(1648~52)に建造され、嘉永4年(1851)の火災で唯一焼け残った建築物で、神仏習合時代の面影を残す仁王門形式だったが、老朽化のため、昭和60年現在の形式に改築されたものである。

参拝は平成20年8月。暑い中での参拝だったが、御朱印をお願いすると社務所に招き入れて下さり、冷たいお茶を出して下さった。気さくな宮司さんで、神社や地域、八幡信仰などについていろいろ話して下さった。

境内には国の登録文化財である一柳陣屋門をはじめ、土佐燈籠など見どころが多いのだが、事前調査の不足のため、肝心なものをほとんど撮り忘れていた。無念。

川之江八幡神社の概要

名称 八幡神社
通称 川之江八幡神社
旧称 正八幡宮
御祭神 足仲彦尊〔たらしなかつひこのみこと〕
誉田別尊〔ほんだわけのみこと〕
息長足姫命〔おきながたらしひめのみこと〕
鎮座地 愛媛県四国中央市川之江町2567番地
創建年代 推古天皇6年(598)
社格等 旧県社
例祭 10月14日・15日
※10月15日/神輿海幸祭
神事・行事 1月1日/歳旦祭
旧2月1日/百手祭
文化財 〈国登録文化財〉一柳陣屋門

交通アクセス

□JR予讃線「川之江駅」より徒歩5分

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