別格官幣社の御朱印(2)

近代社格制度における神宮及び官国幣社の御朱印の紹介。近代社格制度が制定された明治4年(1871)から廃止された昭和20年(1945)までの御朱印を掲載する(ただし一部戦後の御朱印を含む。

ここでは別格官幣社全28社のうち照國神社以下の13社の御朱印を紹介する。ただし戦前の御朱印が手許にない北畠神社の御朱印についてはおかもと氏が運営する「昔の集印帖」より許可を得て転載させていただいた。また福井神社については戦前の御朱印・画像ともにないため神社のデータのみ掲載する。

神社の順序、掲載する御朱印の基準、各神社の説明の内容についてはこちらを参照。

各神社の画像は一部を除き、いずれも資料として収集した戦前の絵はがきである。
神宮及び官国幣社の御朱印一覧

昔の納経帳・集印帖
これまで資料として収集してきた江戸時代から昭和に至る納経帳や御朱印を紹介する。御朱印の歴史や意義に関する議論の混乱は、実際の資料を見ることなく想像で語る人が多いことが大きな要因だと考える。実物を確認すれば自ずと整理されていくだろう。まだまだ...

照國神社

照國神社

照國神社
御祭神:贈正一位源斉彬(島津斉彬)
鎮座地:鹿児島県鹿児島市山下町(鹿児島市照国町)
列格:明治15年12月15日
※明治6年県社→明治15年別格官幣社
公式サイト:https://terukunijinja.jp/

御朱印

  • 照國神社の御朱印

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  • 照國神社の御朱印

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  • 照國神社の御朱印

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  • 照國神社の御朱印

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  • 照國神社の御朱印

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  • 照國神社の御朱印

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  • 照國神社の御朱印

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(1)明治21年(1888)の御朱印。中央の朱印は「照國神社寶璽」、左下の印は「照囶神社社務所印」。墨書は「薩摩國鹿兒島郡山下町鎮坐/別格官幣社/照国神社/社務所」。

(2)昭和2年(1927)の御朱印。中央の朱印は「別格官幣社照國神社」、周囲の枠は丸十の神紋と鶴。下の印は「別格官幣照國神社社務所印」。墨書は「鹿兒島市/別格官幣社照國神社」。

(3)時期不詳、昭和5年(1935)から7年(1932)頃のものと思われる御朱印。中央上の朱印は「別格官幣社照國神社」。右の印は「鹿兒島市御鎮座」。下の印は「參拝」。

(4)昭和6年(1931)の御朱印。上の朱印は「別格官幣社照國神社」で、(3)と同じものと思われる。下の印は「照國神社社務所印」。中央右のスタンプは「照國神社参拝記念」。

(5)昭和14年の御朱印。上の朱印は「別格官幣社照國神社」だが、(3)とは少し違いがあり、新しい印になっているようだ。昭和17年の『惟神の礎』にはこの印が掲載されている。下の印は「別格官幣照國神社社務所印」。

(6)時期不詳、昭和10年代後半のものと思われる御朱印。上の朱印は「別格官幣照國神社」で、(3)(5)の印とは違いがあり、新しい印になっている。

(7)昭和17年発行の『惟神の礎』(紀元二千六百年奉祝会編)に掲載されている印影。

靖國神社

靖国神社

靖国神社
※明治2年(1869)東京招魂社として創建、明治12年(1879)靖国神社と改称。
御祭神:明治維新前後殉国者(護国の英霊246万6千余柱)
鎮座地:東京都麹町区九段(千代田区九段北)
創建:明治2年旧6月29日
列格:明治12年6月4日
公式サイト:https://www.yasukuni.or.jp/

御朱印

  • 靖國神社の御朱印

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  • 靖國神社の御朱印

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  • 靖國神社の御朱印

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  • 靖國神社の御朱印

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  • 靖國神社の御朱印

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(1)明治16年(1883)の御朱印。墨書は「東京府下/別格官幣社/靖國神社/社務所」。中央に朱印はない。左下の印は「靖國神社社務所印」。

(2)大正10年(1921)頃の御朱印。上の朱印は「靖國神社」、昭和17年の『惟神の礎』にはこの印が掲載されている。下の印は「靖國神社祭儀所印」。

(3)昭和11年(1936)の御朱印。中央の朱印は(2)と同じ「靖國神社」。右下のスタンプは「靖國神社参拝紀念」。

(4)昭和10年代後半の御朱印。中央の朱印は「靖國神社」で、(2)とは字体が変わり、現在の御朱印に近くなっている。

(5)昭和17年発行の『惟神の礎』(紀元二千六百年奉祝会編)に掲載されている印影。

霊山神社

霊山神社

霊山神社
御祭神:源親房、源顕家、源顕信、源守親(北畠親房、北畠顕家、北畠顕信、北畠守親)
鎮座地:福島県伊達郡霊山村大石(伊達市霊山町大石)
創建:明治14年5月11日
列格:明治18年4月22日

御朱印

  • 霊山神社の御朱印

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  • 霊山神社の御朱印

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(1)昭和10年(1935)頃の御朱印。上の朱印は「靈山神社之璽」。昭和17年の『惟神の礎』にはこの印が掲載されている。下の印は「別格官幣社靈山神社社務所」。

(2)昭和17年発行の『惟神の礎』(紀元二千六百年奉祝会編)に掲載されている印影。

梨木神社

梨木神社

梨木神社
御祭神:贈正一位藤原実万(三条実万)、三条実美
鎮座地:京都府京都市上京区染殿町
創建・列格:明治18年10月10日
公式サイト:https://www.nashinoki.jp/

御朱印

  • 梨木神社の御朱印

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  • 梨木神社の御朱印

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  • 梨木神社の御朱印

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  • 梨木神社の御朱印

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  • 梨木神社の御朱印

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(1)大正15年(1926)の御朱印。中央の朱印は「別格官幣社梨木神社」。左上の印は「梨木神社社務所印」。

(2)昭和5年(1930)の御朱印。中央の朱印は(1)と同じ「別格官幣社梨木神社」。右下の印は「京都御苑東側鎮座」、左下は「參拝記念」。

(3)時期不詳、昭和5年から10年頃のものと思われる御朱印。朱印は「梨木神社」で、昭和17年の『惟神の礎』にはこの印が掲載されている。下の印は「梨木神社社務所印」。

(4)昭和17年(1942)の御朱印。朱印は(3)と同じ「梨木神社」。

(5)昭和17年発行の『惟神の礎』(紀元二千六百年奉祝会編)に掲載されている印影。

久能山東照宮

久能山東照宮

東照宮
現在の社号:久能山東照宮
御祭神:贈正一位源家康(徳川家康)
鎮座地:静岡県静岡市根古屋(静岡市駿河区根古屋)
昇格:明治21年5月1日
※明治6年県社→明治21年別格官幣社
公式サイト:https://www.toshogu.or.jp/

御朱印

  • 久能山東照宮の御朱印

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  • 久能山東照宮の御朱印

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  • 久能山東照宮の御朱印

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  • 久能山東照宮の御朱印

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(1)明治16年(1883)の御朱印。中央の朱印は判読しづらいが、(2)と同じ「東照宮神璽」か。左下の印は「縣社久能山東照宮社務所」。文字部分は木版で「駿河國 有渡郡/縣社久能山/東照宮/社務所」。

(2)明治33年(1900)の御朱印。中央の朱印は「東照宮神璽」。左下の印は「久能山社務所」。文字部分は木版で「駿河國久能山/別格官幣社/東照宮/社務所」。

(3)昭和2年(1927)の御朱印。右上の印は二葉葵に「久能山」と日付。中央の印は「駿陽安倍久能山」か。右下は雲に「久能山參拝紀念」。左下は上り藤に「久能山東照宮參拝紀念」。

(4)昭和8年(1933)の御朱印。中央の朱印は六つ葵に「久能山東照宮」。右上の印は「駿河國久能山」、左下は「久能山社務所」。

(5)昭和18年(1943)の御朱印。朱印は「久能山東照宮」。

(6)昭和17年発行の『惟神の礎』(紀元二千六百年奉祝会編)に掲載されている印影。これまでのところ、この印が集印帖に押されている例は見たことがない。

四條畷神社

四條畷神社

四條畷神社
御祭神:贈従二位楠正行(楠木正行)
鎮座地:大阪府北河内郡四條畷村南野(四條畷市南野)
創建:明治23年4月5日
列格:明治22年12月13日

御朱印

  • 四條畷神社の御朱印

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  • 四條畷神社の御朱印

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  • 四條畷神社の御朱印

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  • 四條畷神社の御朱印

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(1)大正14年(1925)の御朱印。中央の朱印は「四條畷神社印」。右上の印は菊水の神紋。左下は「四條畷神社社務所印」

(2)時期不詳、大正末から昭和初めのものと思われる御朱印。上の朱印は菊水の神紋。下の印は(1)と同じ「四條畷神社社務所印」。

(3)昭和10年(1935)の御朱印。上の朱印は(2)と同じ菊水の神紋。下の印は「四條畷神社印」。

(4)昭和17年発行の『惟神の礎』(紀元二千六百年奉祝会編)に掲載されている印影。この印は昭和10年代半ばの一時期に使われていたようで、私の手許にはないが、おかもと氏の「昔の集印帖」に掲載されている。

唐沢山神社

唐沢山神社

唐沢山神社
御祭神:藤原秀郷
鎮座地:栃木県佐野市栃本(佐野市富士町)
創建:明治16年10月25日
列格:明治23年11月29日
公式サイト:http://karasawayama.com/

御朱印

  • 唐沢山神社の御朱印

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  • 唐沢山神社の御朱印

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(1)昭和11年(1936)の御朱印。上の御朱印は「唐澤山神社章」、昭和17年の『惟神の礎』にはこの印が掲載されている。下の印は「別格官幣社唐澤山神社」。

(2)昭和17年発行の『惟神の礎』(紀元二千六百年奉祝会編)に掲載されている印影。

上杉神社

上杉神社

上杉神社
※旧称不識庵、明治4年(1871)神式に改め、上杉神社と号する。
御祭神:上杉謙信
鎮座地:山形県米沢市南堀端町(米沢市丸の内)
昇格:明治35年4月26日
※明治5年県社→明治35年別格官幣社
公式サイト:https://www.uesugi-jinja.or.jp/

御朱印

  • 上杉神社の御朱印

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  • 上杉神社の御朱印

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(1)時期不詳、昭和10年代のものと思われる御朱印。上の朱印は「別格官幣上杉神社」。昭和17年の『惟神の礎』にはこの印が掲載されている。下の印は「寶在心」、上杉謙信の家訓十六ヶ条のこと。

(2)昭和17年発行の『惟神の礎』(紀元二千六百年奉祝会編)に掲載されている印影。

尾山神社

尾山神社

尾山神社
御祭神:前田利家
鎮座地:石川県金沢市西町員外(金沢市尾山町)
創建:明治6年11月16日
昇格:明治35年4月26日
※明治6年郷社→明治7年県社→明治35年別格官幣社
公式サイト:http://www.oyama-jinja.or.jp/

御朱印

  • 尾山神社の御朱印

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  • 尾山神社の御朱印

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  • 尾山神社の御朱印

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  • 尾山神社の御朱印

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  • 尾山神社の御朱印

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(1)大正10年(1921)の御朱印。上の朱印は「尾山神社」。下の印は「別格官幣社/尾山神社/参拝紀念之章」。

(2)昭和5年(1930)の御朱印。上の朱印は「尾山神社」。下の印は「別格官幣/尾山神社/參拝之章」。

(3)時期不詳の御朱印、昭和10年代のものか。上の朱印は「別格官幣社尾山神社」、昭和17年の『惟神の礎』にはこの印が掲載されている。下の印は(2)と同じ「尾山神社」。

(4)昭和18年(1943)の御朱印。上の朱印は「加越能藩祖」。下の印は「別格官幣尾山神社」。

(5)昭和17年発行の『惟神の礎』(紀元二千六百年奉祝会編)に掲載されている印影。

野田神社

野田神社

野田神社
※明治6年豊栄神社境内に忠正神社として創建、明治7年野田神社と改称
御祭神:毛利敬親
鎮座地:山口県山口市上宇野令(山口市天花)
創建:明治6年
昇格:大正4年11月10日
※明治9年県社→大正4年別格官幣社

御朱印

  • 野田神社の御朱印

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  • 野田神社の御朱印

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  • 野田神社の御朱印

    (3)

(1)昭和13年(1938)の御朱印。上の朱印は「野田」。その右の印は「周防山口」、下は「別格官幣野田神社社務所印」。

(2)昭和17年(1942)の御朱印。中央の朱印は「別格官幣社野田神社」。右上の印は(1)と同じ「周防山口」。

(3)昭和17年発行の『惟神の礎』(紀元二千六百年奉祝会編)に掲載されている印影。

北畠神社

北畠神社

北畠神社
※旧称北畠八幡宮、明治14年(1881)北畠神社と改称
御祭神:北畠顕能
鎮座地:三重県一志郡多気村上多気(津市美杉町上多気)
昇格:昭和3年11月10日
※明治初年村社→昭和3年別格官幣社

御朱印

  • 北畠神社の御朱印

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  • 北畠神社の御朱印

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  • 北畠神社の御朱印

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(1)昭和15年(1940)頃の御朱印、おかもと氏の「昔の集印帖」より許可を得て転載。中央の朱印は「別格官幣社北畠神社」、昭和17年の『惟神の礎』にはこの印が掲載されている。上の印は「伊勢國司之趾」。

(2)昭和42年(1967)頃の御朱印。朱印は(1)と同じ。

(3)昭和17年発行の『惟神の礎』(紀元二千六百年奉祝会編)に掲載されている印影。

佐嘉神社

佐嘉神社

佐嘉神社
御祭神:鍋島直正
鎮座地:佐賀県佐賀市松原町(佐賀市松原)
創建:昭和8年9月23日
列格:昭和8年9月28日
公式サイト:https://sagajinjya.jp/

御朱印

  • 佐嘉神社の御朱印

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  • 佐嘉神社の御朱印

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  • 佐嘉神社の御朱印

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(1)時期不詳の御朱印。昭和8年の創建当初の御朱印か。朱印は「佐嘉神社」。

(2)時期不詳の御朱印、昭和10年代のものか。朱印は「別格官幣社佐嘉神社之印」。昭和17年の『惟神の礎』にはこの印が掲載されている。

(3)昭和17年発行の『惟神の礎』(紀元二千六百年奉祝会編)に掲載されている印影。

山内神社

山内神社

山内神社
御祭神:山内豊信、山内豐範
※戦後、藤並神社を合祀し、土佐藩歴代藩主を祀る
鎮座地:高知県高知市鷹匠町
創建:昭和9年4月16日
列格:昭和9年4月20日
公式サイト:http://www.yamauchijinjya.net/

御朱印

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  • 山内神社の御朱印

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(1)時期不詳の御朱印。昭和9年の創建から昭和10年代のものであろう。中央の朱印は「山内神社」で、昭和17年の『惟神の礎』にはこの印が掲載されている。右の朱印は「別格官幣社」。

(2)昭和17年発行の『惟神の礎』(紀元二千六百年奉祝会編)に掲載されている印影。

福井神社

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福井神社
御祭神:松平慶永
鎮座地:福井県福井市御屋形町(福井市大手)
創建:昭和18年9月
列格:昭和18年9月20日

神宮及び官国幣社の御朱印一覧
これまで資料として収集してきた昔の御朱印より、近代社格制度における神宮及び官国幣社の当時の御朱印を紹介する。原則として明治から昭和20年までの御朱印を掲載するが、一部は昭和20年代の御朱印を掲載している。 すべての官国幣社の御朱印が揃ったわ...

【1】神宮・官幣大社の御朱印(1)
【2】官幣大社の御朱印(2)
【3】官幣大社の御朱印(3)
【4】官幣大社の御朱印(4)
【5】官幣大社の御朱印(5)
【6】国幣大社の御朱印
【7】官幣中社の御朱印(1)
【8】官幣中社の御朱印(2)
【9】国幣中社の御朱印(1)
【10】国幣中社の御朱印(2)
【11】国幣中社の御朱印(3)
【12】官幣小社の御朱印
【13】国幣小社の御朱印(1)
【14】国幣小社の御朱印(2)
【15】国幣小社の御朱印(3)
【16】別格官幣社の御朱印(1)
【17】別格官幣社の御朱印(2)

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