四国八十八ヶ所

伝承によると、四国八十八ヶ所は弘仁6年(815)弘法大師が42歳のときに開創されたとされます。これを最初に回ったのは、大師の弟子である真済僧正とも、伊予国浮穴郡荏原の長者・衛門三郎とも伝えられています。

無論、それはそのまま史実というわけではないでしょう。

歴史的に見れば、極めて古い時代から四国の海岸や山野を巡って修行する人々がいました。若き日の弘法大師もその一人として、阿波の大瀧嶽や土佐の室戸岬、伊予の石鎚山をはじめ、四国各地を巡って修行されたことは『三教指帰』その他に明らかです。

そのような修行の伝統と、弘法大師への思慕が結びつき、古来の行場や弘法大師ゆかりの霊場、さらに国分寺・一宮などを加えて自然に成立したのが現在の四国八十八ヶ所だと思われます。

八十八ヶ所には、弘法大師ゆかりの霊場のみならず、天台宗寺門派の祖である智証大師円珍ゆかりの寺院が含まれています。これも、四国遍路が複合的な要素から成立した一つの証左といえるでしょう。

とはいえ、弘法大師が四国を遍歴しながら修行をされたことは確かな事実であり、お大師様が修行された場所、あるいはほぼ間違いなく修行されたであろう場所が各地に残っています。四国遍路が弘法大師の御跡を慕う道であるであることは間違いありません。

今もお大師様は四国の地を巡りながら衆生済度を続けておられる、同行二人というように四国遍路はお大師様と二人連れと信じられ、宗旨宗派を越えて多くの人々を惹きつけています。事実、昔から四国遍路による霊験譚は数多く、札所寺院には、足の不自由だった人が歩けるようになったために不要になった車や杖が奉納されていたりします。また、今も徒歩で遍路をすれば、さまざまな体験を通して、お大師様の導きを実感するという話が少なくありません。

私が初めて四国八十八ヶ所を回ったのは平成元年のことでした。当時、今でいう引き籠もりをしていた私は、前年の秋頃からなぜか四国八十八ヶ所を回りたいと思うようになり、さまざまなきっかけもあって、4月13日から5月18日にかけて、途中乗り物も使いながら八十八ヶ所を巡拝したのでした。

その中での体験を通じて、大きな力に生かされている自分、小さな自分にしがみつく愚かさを実感し、引き籠もりから脱するきっかけを得ることができました。

そして、その時々にこだわっている自分の小さな価値観を放棄することができれば、たとえ大きな名誉や権勢、財産を得ることはできなくとも、行き詰まりのない人生を送ることは可能なはずだと確信し、それを探求しようと決めたのでした。これが、善くも悪くも十数年にわたって深く宗教の世界と関わることになったきっかけだったわけです。

その後、再度四国八十八ヶ所を巡拝したいと思っていましたが、なかなかその機会もないままに十数年が経過しました。平成17年5月、サイト上に御朱印のコーナーを設け、平成元年に巡拝した際の納経(御朱印)を公開したものの、その時点では再度の巡拝が可能になるような時間がとれるとは到底考えられない状況でした。

ところが翌平成18年、仕事の絡みで四国八十八ヶ所を代参するよう依頼があり、同年10月と翌19年1月の2回に分けて、二度目の四国巡拝が実現することになりました。こういうのを不思議なお導きというのでしょう。

これに伴い、納経を新しいものに更新するとともに(番外札所等で平成元年にいただいたものしかないものはそのまま)、平成元年の巡拝でいただいたものを「平成元年の四国巡拝」としてまとめることにしました(※その後いただいた納経も順次追加しています)。

なお、四国八十八ヶ所では昔からの習慣通り、御朱印ではなく納経と呼んでいます。そこで、四国八十八ヶ所に関してはこのサイトでも納経と呼ぶことにします。以前はわかりやすくするために「納経印」としていましたが、これは歴史的にも実際に使われたわけではないため、本来の呼称である「納経」に改めます。

発心の道場

1番 霊山寺2番 極楽寺3番 金泉寺4番 大日寺5番 地蔵寺6番 安楽寺7番 十楽寺8番 熊谷寺9番 法輪寺10番 切幡寺11番 藤井寺12番 焼山寺13番 大日寺14番 常楽寺15番 国分寺16番 観音寺17番 井戸寺18番 恩山寺19番 立江寺20番 鶴林寺21番 太龍寺22番 平等寺23番 薬王寺

東林院/十輪寺/大麻比古神社/愛染院/五百羅漢/八祖大師/童学寺/杖杉庵/吉祥院/金磯弁財天/舎心ヶ嶽

修行の道場

24番 最御崎寺25番 津照寺26番 金剛頂寺27番 神峯寺28番 大日寺29番 国分寺30番 善楽寺31番 竹林寺32番 禅師峰寺33番 雪蹊寺34番 種間寺35番 清瀧寺36番 青龍寺37番 岩本寺38番 金剛福寺39番 延光寺

御厨人窟/爪彫り薬師/毘沙門堂/船岡堂/高岡神社/真念庵

菩提の道場

40番 観自在寺41番 龍光寺42番 仏木寺43番 明石寺44番 大宝寺45番 岩屋寺46番 浄瑠璃寺47番 八坂寺48番 西林寺49番 浄土寺50番 繁多寺51番 石手寺52番 太山寺53番 円明寺54番 延命寺55番 南光坊56番 泰山寺57番 栄福寺58番 仙遊寺59番 国分寺60番 横峰寺61番 香園寺62番 宝寿寺63番 吉祥寺64番 前神寺65番 三角寺

龍光院十夜ヶ橋/伊豫稲荷神社/杖の渕大師/経ヶ森/海岸山円明寺/鎌大師堂/近見山円明寺/別宮大山祇神社/大山祇神社/高野山今治別院/石清水八幡神社/清楽寺/妙雲寺/星ヶ森/一之宮神社

涅槃の道場

66番 雲辺寺67番 大興寺68番 神恵院69番 観音寺70番 本山寺71番 弥谷寺72番 曼荼羅寺73番 出釈迦寺74番 甲山寺75番 善通寺善通寺誕生院76番 金倉寺77番 道隆寺78番 郷照寺79番 天皇寺80番 国分寺81番 白峯寺82番 根香寺83番 一宮寺84番 屋島寺85番 八栗寺86番 志度寺87番 長尾寺88番 大窪寺

萩原寺/琴弾八幡宮/獅子の岩窟/七仏寺/捨身ヶ嶽禅定/金刀比羅宮/松尾寺/白峰宮/田村神社/洲崎寺/玉泉寺/白鳥神社/東海寺

高野山その他

高野山奥之院/金剛峯寺/大伽藍/根本大塔/金堂


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