
古くは天満宮と称し、新井天神の名で知られる。創建については不詳だが、天正年間(1573~92)旧別当・梅照院(新井薬師)を開いた行春が創建したとも、それ以前から土地の鎮守として祀られていたともいわれる。
正式名称 | 北野神社〔きたのじんじゃ〕 |
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通称 | 新井天神〔あらいてんじん〕 |
御祭神 | 菅原道真公 保食神 |
社格等 | 旧村社 |
鎮座地 | 東京都中野区新井4-14-3 [Mapion|googlemap] |
公式サイト | http://araitenjin.com/ |

御朱印




(1)平成17年拝受の御朱印。中央の朱印は「北野神社」、右上・左下に梅鉢の神紋。
(2)平成23年拝受の御朱印。中央の朱印は「北野神社」だが新調されているようだ。右上に梅鉢の神紋。
(3)平成29年拝受の御朱印。朱印は(2)と同じ。
(4)令和3年拝受の御朱印。朱印は(2)と同じ。
境内社・稲荷神社の御朱印



(5)平成23年拝受の御朱印。朱印は梅鉢の神紋。
(6)平成29年拝受の御朱印。中央の朱印は「稲荷神社」。
(7)令和3年拝受の御朱印。朱印は(6)と同じ。
境内社・大鳥神社の御朱印



(8)平成23年拝受の御朱印。中央の朱印は梅鉢の神紋、左下の印は「大鳥神社」。
(9)平成29年拝受の御朱印。朱印は「大鳥神社」。
(10)令和3年、酉の市で拝受の御朱印。朱印は(9)と同じ。
御由緒

新井村の鎮守。現在の正式名称は北野神社だが、古くは天満宮と称し、新井天神の通称で知られる。旧別当は新井薬師の通称で知られる真言宗の新井山梅照院だった。
創建については不詳だが、天正年間(1573~92)梅照院の開基・行春が創祀とされる。当社を氏神として崇敬してきた当地の一族は多摩川の矢口渡で戦死した新田義興の一族が落ち延びてきたもの、あるいは長野出身の足利氏の一族といわれることから、室町時代もしくはそれ以前から土地の鎮守として祀られていたとの説もある。
梅照院の縁起には天和年間(1681~84)行春から数代後の住職・玄鏡が境内に梅数株を植え、北野天満宮にも一株を献じたとあり、この頃にはすでに鎮座していたことが確認できる。
明治の神仏分離で独立し、北野神社と改称した。
大正4年(1915)即位御大礼記念事業として社殿を改築。昭和3年(1928)には幣殿を新築した。昭和4年(1929)村社に昇格。
昭和20年(1945)空襲により社殿が焼失。昭和23年(1948)現在の社殿が再建された。
令和2年(2020)令和の御大典の記念事業として拝殿を新築。また本殿などの改修も行われた。
写真帖

社頭風景。

鳥居と社号標。

参道。両側に狛犬がある。

参道の両側にある岡崎現代型の狛犬。大正15年(1926)に寄進されたもの。全国各地でよく見られる岡崎現代型狛犬は大正時代に愛知県の岡崎で六代目酒井孫兵衛が創始し、昭和になって急速に広がった。東京にある岡崎型の狛犬としてはかなり早い時期のものだろう。

手水舎。コンクリート打ちっぱなしで古代の住居を思わせる独特なデザイン。

撫で牛。

さらに進むともう一対の狛犬がある。

古風な江戸型の狛犬。手前の岡崎型の狛犬より古いもののように見えるが、昭和23年(1948)に寄進されたもの。同年に再建された旧拝殿と同時に建立されたのであろうか。現代の拝殿に建て替えられる前は、拝殿の前に建っていた。

力石。石に刻まれている銘文から、新井村や上高田村の若者が奉納したものであることがわかるという。

境内社・御嶽神社。

境内社・稲荷神社の鳥居。

稲荷神社。御祭神は倉稲魂命。『平成「祭」データ』には「伏見稲荷神社」とある。平成27年(2015)矯正研修所施設内にあった宝樹稲荷社を合祀した。この宝樹稲荷社は文化14年(1817)市ヶ谷にあった備中松山藩下屋敷の邸内社として創建された。明治8年(1875)その跡地に設置された市ヶ谷囚獄(後に市ヶ谷監獄)に引き継がれた。大正4年(1915)現在の新井3丁目に移転して豊多摩監獄(後の中野刑務所)となったのに伴って遷座し、中野刑務所の廃庁後も奉賛者によって護持された。しかし矯正研修所施設が昭島市に移転したのに伴い、北野神社境内の稲荷神社に合祀されることとなった。

大鳥神社。御祭神は日本武尊。昭和28年(1953)「鳥は取りに通じ、大鳥の熊手のような足で福運を掻き取るようにと、町の発展を願って(参拝のしおり)」堺市の大鳥神社から御分霊を勧請したという。11月の酉の市には多くの参拝客で賑わう。

神楽殿。

拝殿。令和2年(2020)令和の御大典の奉祝事業として造営された。

拝殿の扁額。

瓦葺きの旧拝殿。昭和20年(1945)の戦災で大正4年(1915)建造の社殿が焼失した後、昭和23年(1948)に再建された。新しい拝殿はこの旧拝殿と左側の授与所の跡に建てられたようだ。

旧拝殿の扁額。現在の拝殿に掲げられている扁額と同じもののようだ。

本殿。
メモ
中野駅から中野通りを1kmほど北に進んだ新井五叉路のそばに鎮座する。手水舎はコンクリート打放しの斬新な様式である。
本社の他、境内社の大鳥神社・稲荷神社の御朱印もいただくことができる。宮司様に由緒を伺ったところ、大鳥神社はもともと境内に祀られていたもの、稲荷神社は祀ることができなくなった社を遷座したものとのことであった。
※境内社の御朱印についての情報は、木村様より提供していただきました。ありがとうございました。
北野神社の概要
名称 | 北野神社 |
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通称 | 新井天神 新井天神北野神社 |
旧称 | 天満宮 |
御祭神 | 菅原道真公〔すがわらのみちざねこう〕 保食神〔うけもちのかみ〕 |
鎮座地 | 東京都中野区新井四丁目14番3号 |
創建年代 | 天正年間(1573~92) |
社格等 | 旧村社 |
例祭 | 9月25日に近い土・日曜日 |
神事・行事 | 1月1日/歳旦祭 1月25日/うそ替え神事 旧2月初午の日/初午祭 11月酉の日/酉の市 |
交通アクセス
□西武新宿線「新井薬師前駅」より徒歩約7分
□JR中央線・東京メトロ東西線「中野駅」より徒歩約10分
更新履歴
2006.01.29.公開
2011.04.28.改訂、御朱印と画像を追加
2017.02.06.更新、Wordpressへ移行
2025.09.06.更新、御朱印と画像を追加
