王子神社(王子権現)

王子神社

王子神社の創建は不詳だが、古くから熊野権現を祀っていたという。元亨2年(1322)領主の豊嶋氏が改めて紀州熊野三山から王子大神を勧請した。江戸時代には歴代将軍の崇敬篤く、徳川家康は社領200石を安堵。徳川吉宗は飛鳥山を寄進し、桜を植えて江戸庶民の行楽地とした。明治元年(1868)准勅祭社に列する。

正式名称 王子神社〔おうじじんじゃ〕
旧称 王子権現〔おうじごんげん〕
御祭神 伊邪那岐命 伊邪那美命 天照大御神 速玉之男命 事解之男命
社格等 旧郷社 元准勅祭社
鎮座地 東京都北区王子本町1-1-12 [Mapion|googlemap]
最寄り駅 王子駅(JR・南北線)
王子駅前・飛鳥山(都営荒川線)
バス停:北区役所・王子駅前
公式サイト http://ojijinja.tokyo.jp/

御朱印

  • 王子神社の御朱印

    (1)

  • 王子神社の御朱印

    (2)

(1)平成17年拝受の御朱印。中央と左下の朱印は「王子神社」、右上は打ち出の小槌に「開運」。

(2)平成28年拝受の御朱印。中央と左下の朱印は「王子神社」、右下に「元准勅祭十社之内」。

昔の御朱印

昭和・大正の御朱印

  • 昭和5年頃の御朱印

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  • 昭和16年の御朱印

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(1)昭和5年頃の御朱印。中央の朱印は「王子神社」。右上は「東京府下王子町鎮座」、左上は王子田楽の舞童、左下は「王子神社社務所」。

(2)昭和16年の御朱印。中央の朱印は「王子神社」。右上は「東京市王子區王子町鎮座」、右下は「王子神社社務所」、左下は王子田楽の舞童。

江戸・明治の御朱印

  • 王子神社・王子稲荷神社の御朱印

    (1)

  • 王子神社・王子稲荷神社の御朱印

    (2)

(1)文政4年(1821)、王子神社と王子稲荷神社の納経(御朱印)。揮毫は「奉納」「若一王子宮」「東三拾三ヶ国惣司 王子稲荷大明神」「両社別当知事」「行者丈江」。「行者丈江」は「行者殿へ」の意味。朱印は両社の社号の位置と下に押されているが、いずれも判読できない。

(2)明治17年(1884)、王子神社と王子稲荷神社の御朱印。揮毫は「郷社 王子神社」「王子稲荷神社」「社務所」。朱印は中央右に「王子神社」、左に「稲荷大神」、左下に「王子神社印」。

御由緒

王子神社は、創建年代は詳らかでないが、古くより紀州の熊野権現を勧請したとされる。康平年間(1058~65)源義家が奥州征伐に向かうに際して金輪仏頂の法を修せしめ、凱旋に際しては甲冑を納めたと伝えられるため、それ以前から祀られていたであろうという。

元亨2年(1322)領主の豊島氏が改めて紀州熊野三山より王子大神を勧請し、社殿を造営して「若一王子宮」と称した。これにより、岸村と呼ばれていたこの地も王子村と称するようになった。戦国時代にこのあたりを支配した小田原北条氏も28貫860文の社領を寄せている。

江戸時代には「王子権現社」と称され、歴代将軍の崇敬を受けた。別当は真言宗の禅夷山金輪寺(廃寺。塔頭の藤本坊が法灯を継承し、王子山金輪寺を称している)。

天正19年(1591)徳川家康は朱印地200石を寄進、将軍家祈願所とした。寛永11年(1634)3代将軍・家光は社殿を造営し、林羅山に命じて「若一王子縁起」三巻を作成、寄進させた。元禄16年(1703)に5代・綱吉、天明2年(1782)に10代・家治、文政3年(1820)11代・家斉が社殿の造営・修営を行った。

特に紀州徳川家出身の8代将軍・吉宗は紀州ゆかりの当社を篤く崇め、元文2年(1737)飛鳥山を寄進し、桜を植樹して庶民の遊楽地とした。

明治元年(1868)王子神社と改称し、准勅祭社とされた。明治5年(1872)には郷社に列格し、10月9日には明治天皇、昭憲皇太后、英照皇太后の行幸啓があった。

昭和20年(1945)空襲により社殿が焼失。戦後、昭和39年(1964)の第一期、昭和57年(1982)の第二期造営を経て社殿を再建、境内の整備を行った。

かつては17の摂末社があったというが、現在は末社の関神社が鎮座するのみである。御祭神は蝉丸で、「髪の祖神」「音曲諸芸道の祖神」として知られる。空襲で焼失したが、昭和34年(1959)髢・鬘・床山・舞踊・演劇など関係業界の尽力により再建された。

因みに豊島の紀州神社や堀船の白山神社も、元は王子権現の境内にあったと伝えられている。

写真帖

  • 社号標

    社号標

  • 大鳥居

    大鳥居

  • 手水舎

    手水舎

  • 関神社

    関神社と毛塚

  • 拝殿

    拝殿

  • 本殿

    本殿

メモ

JR王子駅から徒歩すぐ、桜の名所として有名な飛鳥山公園のそばに鎮座する。緑豊かで落ち着いた雰囲気の境内である。

王子神社の概要

名称 王子神社
旧称 王子権現
御祭神 伊邪那岐命〔いざなぎのみこと〕
伊邪那美命〔いざなみのみこと〕
天照大御神〔あまてらすおおみかみ〕
速玉之男命〔はやたまのおのみこと〕
事解之男命〔ことさかのおのみこと〕
鎮座地 東京都北区王子本町一丁目1番12号
創建年代 不詳/元亨2年(1322)再興
社格等 旧郷社 元准勅祭社
例祭 8月上旬(槍祭)
神事・行事 1月1日/歳旦祭
2月11日/建国祭
6月30日/夏越の大祓
12月6日/熊手市
12月31日/年越の大祓
文化財 〈都天然記念物〉大銀杏
巡拝 東京十社

交通アクセス

□王子駅(JR・南北線)より徒歩3分
□王子駅前(都電荒川線)より徒歩5分
□飛鳥山(都電荒川線)より徒歩7分

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