第12番 摩廬山 焼山寺

12番焼山寺

名称 摩廬山 正寿院 焼山寺
御本尊 虚空蔵菩薩
所在地 徳島県名西郡神山町下分318 [Mapion|googlemap]

【本尊真言】
のうぼう あきゃしゃ きゃらばや おん ありきゃ まりぼり そわか

【御詠歌】
後の世を思えば恭敬焼山寺 死出や三途の難所ありとも

※上の句の「恭敬〔くぎょう〕」(慎み敬うの意)には「苦行」を当てている資料もある。古い資料ではひらがなの「くぎゃう」。下の句に「死出や三途の難所」には「苦行」もしくは「苦行」と「恭敬」をかけているとするのがふさわしいように思うが、ここでは四国八十八ヶ所霊場会の公式サイトに従う。

【略縁起】
大宝年間(701~04)修験道の開祖・役行者が開いたと伝えられる。大師が当地を巡錫した折、この山に住む大蛇が人々を害していることを聞き、退治するために山に入った。大蛇は大師を阻止するために火を吐き、全山炎に包まれたが、摩廬(水輪)の印を組み、真言を唱えながら進んでいった。ついに虚空蔵菩薩の加護を得て岩窟に大蛇を封じ込めた後、自ら刻んだ虚空蔵菩薩の像を本尊として寺を建立したのが摩廬山焼山寺の始まりとされる。

目次

焼山寺の納経(御朱印)

  • 焼山寺の納経

    (1)

  • 12番焼山寺の納経

    (2)

(1)平成元年拝受の納経。揮毫は虚空蔵菩薩の種字「タラーク」に「虚空蔵」。中央の宝印は火炎宝珠に梵字の「ア」「オン」「タラーク」。右上の朱印は「四国第十二番」、左下は「虚空蔵院」。

(2)平成18年に拝受した納経。揮毫は虚空蔵菩薩の種字「タラーク」に「虚空蔵」で、右が「奉納経」。朱印は平成元年のものと同じ。

江戸時代の納経

  • 天保11年の納経

    (1)

  • 天保12年の納経

    (2)

(1)天保11年(1840)の納経。版木押しで、「勅願所」「金堂虚空蔵大士」「阿州 焼山寺」。中央の宝印は勅願所を示す十六八重菊の御紋。右上の朱印は「四国霊場第十二番」、左下は「虚空蔵院」。

(2)天保12年(1841)の納経。版木・朱印ともに天保11年のものと同じ。

明治時代の納経

  • 明治38年の納経

    (1)

(1)明治38年(1905)の納経。揮毫は「本尊虚空蔵」。中央の宝印は火炎宝珠に虚空蔵菩薩の種字「タラーク」。右上の朱印は「四国第十二番」、左下は「焼山密寺」。

焼山寺について

山号 摩廬山(まろざん)
寺号 焼山寺(しょうざんじ)
院号 正寿院(しょうじゅいん)
御本尊 虚空蔵菩薩
所在地 徳島県名西郡神山町下分字中318番地
創建年代 大宝年間(701~04)/弘仁6年(815)
開山 神変大菩薩/弘法大師
宗派等 高野山真言宗
文化財 〈県有形文化財〉弘法大師坐像 梵鐘 焼山寺文書・宗秀奉下文 焼山寺文書・寺領寄進状目録 焼山寺文書・佐伯守安寄進状 〈県天然記念物〉焼山寺山のフジの群生地 焼山寺山スギ並木

覚え書き

焼山寺山の中腹、標高約800メートルにある。境内には徳島県指定の天然記念物である杉の大木が立ち並び、森厳とした霊場の雰囲気を漂わす。
「遍路ころがし」と呼ばれる難所はいくつかあるが、中でも藤井寺から焼山寺への道は特に厳しいことで知られる。「一に焼山(焼山寺)、二にお鶴(20番鶴林寺)、三に太龍(21番太龍寺)」といわれるように、阿波第一の難所である。平成元年に徒歩で回ったときは途中で挫折、番外の柳水庵で一泊させていただいた。
大宝年間(701~704)修験道の開祖とされる神変大菩薩・役行者小角が開き、蔵王権現を安置したと伝えられる。
この山には大蛇が住んでいて、火を吐いて山を焼いたり、作物を害したりして人々を苦しめていた。弘仁5年(814)、当地を訪れた弘法大師は、この大蛇を退治すべく山に登った。大蛇はそれを阻止するため、火を吐き、全山劫火に包まれた。しかし大師は畏れることなく、摩廬(水輪)の印を組み、真言を唱えると火は鎮まり、ついに虚空蔵菩薩の助けによって大蛇を岩に封じ込めた。
大師は三面大黒天の像を刻んで岩の上に安置し、大衆安楽、五穀豊穣を祈願した。さらに虚空蔵菩薩の尊像を刻んで本尊とし、寺号を焼山寺、山号を摩盧山(摩盧は水輪の意とされる)と称したという。
鎌倉時代の終わりには後醍醐天皇が勅願所とした。
焼山寺の奥の院は本堂からさらに30分ほど上った蔵王大権現で、焼山寺の納経所で納経ができる。また、番外札所の杖杉庵・浄蓮庵・柳水庵の納経も当寺にて。

写真帖

  • 山門

    山門

  • 杉並木

    参道の杉並木

  • 本堂

    本堂

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