名称 | 医王山 多宝院 甲山寺 |
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御本尊 | 薬師如来 |
所在地 | 香川県善通寺市弘田町1765-1 [Mapion|googlemap] |
【本尊真言】
おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
【御詠歌】
十二神味方に持てる戦には 己と心甲山かな
【略縁起】
弘法大師が一寺を建立するための霊地を探している時、甲山の麓で老翁の託宣を受け、毘沙門天の像を刻んで岩窟に安置した。その後、嵯峨天皇より満濃池修築を命じられた際、薬師如来の像を刻み、甲山の岩窟で修法を行った。無事に工事を完成させた大師は、朝廷より賜った禁の一部で伽藍を建立し、薬師如来を本尊として安置したとされる。
甲山寺の納経(御朱印)
(1)平成元年拝受の納経。揮毫は薬師如来の種字「バイ」に「薬師如来」。中央の宝印は蓮台上の宝珠に薬師如来の種字「バイ」。右上の印は「第七十四番」、左下は「讃州屏風浦甲山寺」。
(2)平成19年に拝受した納経。揮毫・朱印ともに平成元年のものと同じ。
江戸時代の納経
(1)天保11年(1840)の納経。朱の版木押しで「奉納」「本尊薬師如来」「西讃屏風浦」「医王山甲山寺」「堂司」。中央に宝印はない。右上の印は「七十四番」、左下は「勝厳」ではないかと思われる。
(2)天保12年(1841)の納経。版木・朱印ともに天保11年のものと同じ。
明治時代の納経
(1)明治38年(1905)の納経。揮毫は「奉納経」「本尊薬師如来」「屏風浦」「甲山寺」。中央の宝印はない。右上の印は「四国第七拾四番」、左下は「讃州屏風浦甲山寺」。
甲山寺について
山号 | 医王山(いおうざん) |
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寺号 | 甲山寺(こうやまじ) |
院号 | 多宝院(たほういん) |
御本尊 | 薬師如来 |
所在地 | 香川県善通寺市弘田町1765番地1号 |
創建年代 | 弘仁12年(821) |
開山 | 弘法大師 |
宗派等 | 真言宗善通寺派 |
覚え書き
寺伝によれば、弘法大師は善通寺と曼荼羅寺の間に一寺を建立しようとして、幼少期に遊んだこの辺りでふさわしい霊地を探していた。甲山の麓に来たとき、岩窟から老翁が現れ、「我はこの地で仏法を弘めてきた聖者である。汝、この地に寺院を建立せよ。我はいつまでも守護するであろう」と告げた。喜んだ大師は毘沙門天の尊像を刻み、岩窟に納めたという。
弘仁12年(821)、大師は嵯峨天皇により満濃池の修築を命じられた。そこで薬師如来の尊像を刻み、甲山の岩窟で修法を行った。無事にこの難工事を完成させた大師は、恩賞として下賜された金の一部を用いて伽藍を建立し、薬師如来を本尊として安置した。
こぢんまりとしているが、風情のある境内。ほっと落ち着く雰囲気がある。甲山の名は山の姿が毘沙門天の兜に似ていることに因むという。大師堂の傍には、大師が毘沙門天の尊像を納めた岩窟があり、奥之院とされている。納経もお願いできるようである。