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宮内熊野大社 | 山形県南陽市

宮内熊野大社

熊野大社は熊野三山・碓氷峠の熊野神社とともに日本三熊野の一に数えられる。社伝によれば大同元年(806)平城天皇の勅により再興されたという。天台宗・真言宗・羽黒修験・神道が加わって熊野修験の霊場として繁栄し、歴代領主からも崇敬を受けた。

正式名称 熊野神社〔くまのじんじゃ〕
通称 熊野大社〔くまのたいしゃ〕
御祭神 伊弉冉尊
社格等 旧県社 別表神社
鎮座地 山形県南陽市宮内3476-1 [Mapion|googlemap]
公式サイト http://kumano-taisha.or.jp/
山形県の神社
山形県内の神社の御朱印とその由緒(歴史)、アクセスなどの紹介。南陽市の熊野大社、白鷹町の鮎貝八幡宮など。またブログでは米沢市の上杉神社、松岬神社、山形市の六椹八幡宮などを紹介している。
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御朱印

  • 宮内熊野大社の御朱印

    (1)

(1)平成23年拝受の御朱印。中央の朱印は「熊之山」か? 右上の印は十四弁菊心に三つ巴の神紋、左下は「日本三熊野」。

御由緒

本殿

正式名称は熊野神社だが、一般には熊野大社、あるいは鎮座地を冠して宮内熊野大社として知られる。紀州の熊野三山、碓氷峠の熊野神社(現在は長野県側が熊野皇大神社、群馬県側が熊野神社と称する)とともに日本三熊野と称される。旧別当は熊野本宮大社と同じく證誠寺であった(現在は廃寺)。後に天台・真言・羽黒修験・神道の四派が加わり、熊野修験の霊場として栄えたという。

社伝によれば、大同元年(806)平城天皇の勅命により再建されたとされる。

一説には平安時代の末期、平維盛による創建ともいう。それによれば、維盛は平氏が源氏に滅ぼされると、那智浦に逃れて木に「平維盛入水」と記し、僧の姿になって熊野に隠れていた。しかしその筋の捜索が厳重になったため、出羽国に逃れてこの地に隠れ住んだとする。

貞観9年(867)勅命により再興した。この時、祭式を改革したという。

源義家は鎌倉権五郎景政に命じて四海泰平の祈禱を行わせ、康平6年(1063)戦勝の報賽として社殿を造営し、太刀3振・神鏡3面・獅子1頭を納め社領300貫文を寄進した。あるいは寛治5年(1091)権五郎景政は義家の命により、紀州熊野の三所権現と十二所神を勧請し、社領を寄進したとも言う。

後白河天皇即位の時、勅によって天下泰平の祈禱を命じた。これが保元元年(1156)12月大晦日に当たり、翌保元2年(1157)1月7日まで祈禱を行ったため、毎年大晦日から1月7日まで天下泰平の祈禱を行うようになったという。

奥州合戦の後、大江広元が当地の地頭職となり、その子孫の長井氏はたびたび当社の修理造営を行っている。その後、当地を支配した伊達氏も社殿の再建や社地の寄進を行った。

慶長年間(1596~1615)上杉氏が米沢に入ると、当社を鬼門の祈祷所とし、祭具一式と社領を寄進した。寛永3年(1626)当地の代官となった安部右馬之助が中心となって社殿・末社を再建した。この時、北条郷33ヶ村の総鎮守に定められ、獅子祭の神事が始められたという。

また、上杉治憲は当社を深く崇敬し、安永7年(1778)本殿以下、末社・神楽殿・惣門・鳥居などを再建した。

明治の神仏分離により熊野神社と改称、別当の証誠寺は廃された。明治5年(1872)郷社に列格、大正6年(1917)県社に昇格した。

本殿(本宮)

本宮裏ウサギの彫刻

本宮と称し、熊野夫須美神(伊弉冉尊)を祀る。本地仏は観世音菩薩。安永7年(1778)の造営と伝えられる。

本宮裏に施された彫刻の中に3羽のウサギが隠されているという。その3羽をすべて見つけるとお金に困ることがなく、幸せに暮らすことができるという。因みに上の写真の中に2羽が隠されている。

二宮神社(若王子)

二宮神社

若王子ともいう。御祭神は熊野速玉大神(伊弉諾尊)で、本地仏は薬師如来。社殿は一間社流造で室町時代の建造、県の有形文化財に指定されている。

三宮神社(那智宮)

三宮神社

御祭神は熊野家津御子大神(素盞嗚尊)で、本地仏は阿弥陀如来。社殿は三間社流造で、江戸時代の建立。市の有形文化財に指定されている。

摂末社

本社の周囲には多数の摂末社が並んでいる

土社神社

土社神社

土社神社〔どしゃじんじゃ〕の社殿は室町時代の建造で、県の有形文化財に指定されている。

幸神社

幸神社

摂社の幸神社〔さいわいじんじゃ〕は境内社の中で最も大きく、猿田彦大神を祀る。8月の四万八千日祭に参拝すると、四万八千日参拝したのと同じ御利益が受けられるとされる。

和光神社

和光神社

和光神社・菅原神社・八幡神社・皇大神社・保呂羽神社などは、上杉領となって後、当地を治めた尾崎家や色部家が越後や信州から遷したものであるという。

写真帖

大鳥居

大鳥居

鏡池

鏡池

手水舎

手水舎

土社神社

土社神社

幸神社

幸神社

鐘楼

鐘楼

神楽殿

神楽殿

拝殿

拝殿

拝殿の彫刻

拝殿の彫刻

社号額

社号額

八幡神社

八幡神社

保呂羽神社・愛宕神社・羽黒神社

保呂羽神社・愛宕神社・羽黒神社

菅原神社

菅原神社

千手観音

千手観音

稲荷神社

高平稲荷神社

和光神社

和光神社

招魂社

招魂社

皇大神社

皇大神社

三宮神社

三宮神社

二宮神社

二宮神社

本殿

本殿

本宮裏ウサギの彫刻

本殿 ウサギの彫刻

メモ

JR宮内駅から徒歩10分ほどのところに鎮座する。鬱蒼と樹木の繁る境内に茅葺きの豪壮な拝殿が建つ。周囲には数多くの末社が並ぶが、例えば菅原神社には文殊堂、和光神社には虚空蔵堂など本地仏を示す札がかかり、千手観音を祀るお堂まである(ただし御祭神は国之常立神)。鐘楼とともに神仏習合時代の名残を感じさせる。

熊野大社の概要

名称 熊野神社
通称 熊野大社
旧称 熊野大権現
御祭神 熊野夫須美大神(伊弉冉尊)〔くまのふすみのおおかみ〕
〈二宮神社(若王子新宮)〉
熊野速玉大神(伊邪那岐命)〔くまのはやたまおおかみ〕
〈三宮神社(那智宮)〉
熊野家津御子大神(素盞嗚尊)〔くまのけつみこのおおかみ〕
鎮座地 山形県南陽市3476番の1
創建年代 大同元年(806)再興
社格等 旧県社 別表神社
例祭 7月25日
※7月23日/祭始め
※7月24日/前夜祭
※7月26日/総社祭
神事・行事 1月1日/元旦祭
1月1日~4月上旬/春参宮
5月1日/春祭(祈年祭・鎮花祭)
6月30日/夏越大祓式
8月10日/四万八千日祭(幸神社)
9月23日/招魂祭(招魂社)
10月中旬~11月上旬/秋参宮
11月25日/秋祭(新嘗祭・取子祭)
12月31日/年越大祓式
文化財 〈県有形文化財〉拝殿 二宮神社 土社神社 〈県天然記念物〉大銀杏

交通アクセス

□山形鉄道フラワー長井線「宮内駅」より徒歩約12分

諸国神社御朱印集
全国各地の神社を御朱印、由緒、アクセスなどの紹介。伊勢神宮をはじめ旧官国幣社、旧府県社、別表神社、さまざまな由緒を持った神社の由緒と御朱印を都道府県別に紹介する。現代の御朱印の他、江戸時代から明治、大正、昭和戦前の貴重な御朱印、海外廃絶神社の御朱印も掲載。

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