第71番 剣五山 弥谷寺

71番弥谷寺

名称 剣五山 千手院 弥谷寺
御本尊 千手観世音菩薩
所在地 香川県三豊市三野町大見70 [Mapion|googlemap]
公式サイト http://www.geocities.jp/ryogot1010/

【本尊真言】
おん ばざら たらま きりく

【御詠歌】
悪人と行き連れなんも弥谷寺 ただかりそめの良き友ぞよき

【略縁起】
寺伝によれば聖武天皇の勅願により行基菩薩が開創したと伝えられる。弘法大師が少年の頃、当山の獅子の岩屋で学問に励んだとされる。古くから霊山として崇められ、恐山・臼杵石仏とともに日本三大霊場に数えられたという。山内には数多くの石仏や磨崖仏が残り、霊場らしい雰囲気を漂わせている。

目次

弥谷寺の納経(御朱印)

  • 71番弥谷寺の納経

    (1)

  • 71番弥谷寺の納経

    (2)

(1)平成元年拝受の納経。揮毫は「千手尊」。中央の宝印は蓮台上の火炎宝珠に千手観音の種字「キリーク」。右上の印は「四国第七十一番」、左下は「讃岐圀劔御山彌谷寺」。

(2)平成19年拝受の納経。揮毫は千手観音の種字「キリーク」に「大悲殿(観世音菩薩を祀るお堂)」。朱印は平成元年のものと同じ。

江戸時代の納経

  • 天保11年の納経

    (1)

  • 天保12年の納経

    (2)

(1)天保11年(1840)の納経。揮毫は「奉納」「本尊千手」「弥谷寺」。中央の宝印は蓮台上の火炎宝珠に千手観音の種字「キリーク」。左上の印は「四国七十一番」、左下は白抜きで「彌谷寺満願窟」。満願窟は獅子之岩屋のことと思われる。

(2)天保12年(1841)の納経。版木押しで「奉納経」「讃岐国 彌谷寺 満願窟」「堂司」。中央の宝印はない。右上と左下の朱印は天保11年のものと同じ。満願窟が主体となった納経である。

明治時代の納経

  • 明治38年の納経

    (1)

(1)明治38年(1905)の納経。版木押しで「讃州劔御山」「千手院道場」「彌谷密寺」。中央に宝印はない。右上の印は「四国第七十一番」、左下は現在のものとほぼ同じで「讃岐圀劔御山彌谷寺」。

弥谷寺について

山号 剣五山(けんござん)
寺号 弥谷寺(いやだにじ)
院号 千手院(せんじゅいん)
旧称 蓮華山八国寺
御本尊 千手観世音菩薩
所在地 香川県三豊市三野町大見70番地
創建年代 天平年間(729~49)
開山 行基菩薩
宗派等 真言宗善通寺派 大本山
文化財 〈重文〉金剛五鈷鈴 〈県有形文化財〉仏説観仏三昧海経巻第二 〈県史跡〉弥谷寺信仰遺跡

覚え書き

天平年間(729~49)聖武天皇の勅願により、行基菩薩が光明皇后の書写した華厳経を奉納して開創したと伝えられる。山頂から中国・四国の八ヵ国が望めることから、蓮華山八国寺と名付けたという。
弘法大師は少年時代、この寺の獅子之岩窟(獅子窟)で修行したと伝えられる。唐から帰朝した大同2年(807)再びこの山に登り、獅子窟で求聞持法を修された。満願の日、五柄の剣が空中より降り、金剛蔵王権現が示現して、この山が観音の霊場であり、伽藍を再興して千手観音を祀るように告げた。
そこで大師は一刀三礼して千手観音を刻んで本尊として安置し、五柄の剣と恵果阿闍梨から授かった金堂の五鈷鈴を納めた。そして、五柄の剣に因んで剣五山、付近に谷の多いことから弥谷寺と改めた。仏の住む山を弥山というのに対し、仏の住む谷の意で弥谷寺と称するともいう。
室町時代には天霧城に拠る香川氏の庇護を受けた。最盛期には東院・西院・中尊院など三院六坊を誇ったという。しかし、天正年間(1573~92)兵火のために焼失、慶長5年(1600)高松藩主・生駒一正により再興される。享保5年(1720)にも焼失するが、丸亀藩主・京極高規によって再建された。
弥谷山はさして高いというわけではないが、急峻な石段を上るため難所の一つに数えられる。また、近郷には弥谷山を死者の霊が帰る「仏の山」とする「弥谷信仰」がある。山内には磨崖仏や賽の河原、五輪の塔、無数の石仏などが残されており、「弥谷寺信仰遺跡」として県の史跡に指定されている。また、大師堂の中には位牌堂があり、おびただしい数の位牌が納められている。
弥谷寺の奥の院は獅子之岩窟である。江戸時代の納経帳には「満願窟」とある。

写真帖

  • 求聞持堂

    求聞持堂

  • 多宝塔

    多宝塔

  • 大師堂

    大師堂

  • 磨崖仏

    阿弥陀三尊磨崖仏

  • 御加持水

    御加持水

  • 本堂

    本堂

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