大麻止乃豆乃天神社

大麻止乃豆乃天神社

大麻止乃豆乃天神社は大丸村の鎮守で、江戸時代以前は丸宮明神と称していた。延喜式神名帳の多摩郡八座の一・大麻止乃豆乃天神社の論社で、明治の初めに現社号に改めた。旧称の「丸宮」は、大麻止乃豆乃天神社を略した「麻止乃宮」が訛ったものと考えられている。

正式名称 大麻止乃豆乃天神社〔おおまとのつのてんじんじゃ〕
御祭神 櫛真知命
社格等 式内論社 旧郷社
鎮座地 東京都稲城市大丸847 [Mapion|googlemap]
最寄り駅 南多摩(JR南武線)
バス停:第四保育園入口
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御朱印

御朱印は本務社である中野区弥生町の神明氷川神社でいただくことができる。

  • 大麻止乃豆乃天神社の御朱印

    (1)

(1)平成19年拝受の御朱印。朱印は「大麻止乃豆乃天神社」。

御由緒

御祭神

■櫛真知命

当社の御祭神は大麻止乃豆乃命〔おおまとのつのみこと〕で、社号も御祭神の名に因むものとされる。

『延喜式神名帳』に記載された大和国十市郡の天香久山坐櫛真命神社の割り注に「元名大麻等乃知神」とあり、大麻等乃知命〔おおまとのちのみこと〕(あるいは大麻止乃豆乃命)は櫛真知命〔くしまちのみこと〕の元の名であったことがわかる。

櫛真知命は記紀には登場しないが、亀の甲や鹿の肩骨を焼いて占いをする「太占〔ふとまに〕」を掌る神で、卜占を業とする人々から崇敬されていた。一説には天児屋根命の別名、あるいは父神ともいう。

『万葉集』に「武蔵野に占へ肩焼き真実にも告らぬ君が名卜に出にけり」という歌があり、武蔵国には卜占に携わる人たちが数多く住んでいたようで、それらの人々と関わりがあったのだろうと考えられている。

御由緒

大麻止乃豆乃天神社は、江戸時代以前には丸宮明神あるいは円宮明神と呼ばれ、大丸村の鎮守であった。旧別当は臨済宗の大寿山円照寺。現在は円照寺の南の丘に鎮座するが、古くは1kmほど西の天神バケというところにあったと伝えられている。

創建年代は不詳だが、延喜式神名帳に記載された多磨郡八座の一・大麻止乃豆乃天神社とされる。

当社が鎮座する大丸は、社号の「大麻止」を「大円〔おおまど〕」と表記するようになり、それが「おおまる」と読まれるようになって「大丸」の字が当てられるようになったという説がある。また、当社の旧称である丸宮(円宮)明神も、大麻止乃豆乃天神社を略して「麻止乃宮」と称するようになったものであろうともいわれる。鎮座地の字の名である「大円山」も古名が残ったものであろうという。

明治6年(1873)郷社に列する。この頃、社号を大麻止乃豆乃天神社に改めた。大正の頃、村内の白山神社と神明神社を境内に遷したようである。

本殿は幕末の造営で、棟札や記録は残っていないが、神体覆箱の銘にある慶応3年(1867)の建立と考えて間違いないだろうという。一間社入母屋造で、壁面をはじめ随所に豪華な彫刻を施した見事なものである。現在の覆殿は大正15年(1926)に建てられたというが、本殿の保存状況が良好なことから、造営当初から本殿を保護する施設があったのではないかと考えられている。

社号の読み方について

大麻止乃豆乃天神社は、一般的には「おおまとのつのてんじんじゃ」と読まれているが、古くは「おおまとのつのあまつかみのやしろ」と読んでいたようである。『平成「祭」データ』では「おおまとのずのてんじんじゃ」となっており、平成の初めにはこれが正式の読み方だった可能性が高いのだが、神社社頭の掲示板には「おおまとのつのてんじんじゃ」とあるため、ここではそれに従う。

式内論社

延喜式神名帳に記載された大麻止乃豆乃天神社については、当社の他、御嶽村の御嶽社(青梅市の武蔵御嶽神社)を当てる説もある。

大丸村の丸宮明神は古書旧記が散逸し、しかも江戸時代には祭神不詳とされていたことから、『新編武蔵風土記稿』や『神社覈録』などは御嶽社を式内社としている。明治2年(1869)には御嶽社を式内社と決し、社号が大麻止乃豆乃天神社に改められた(※明治7年、再び御嶽神社と改称)。

しかし、その後は『神祇志料』が丸宮明神を式内社とし、『特選神名牒』も御嶽神社は明証がないのに対し、大丸の村名や鎮座地の大円山などの証があることから丸宮明神が大麻止乃豆乃天神社であろうとするなど、当社を式内社とする説が強くなった。

写真帖

  • 大麻止乃豆乃天神社社前風景

    社前風景

  • 大麻止乃豆乃天神社鳥居

    鳥居

  • 大麻止乃豆乃天神社手水舎

    手水舎

  • 大麻止乃豆乃天神社白山神社・神明神社・稲荷神社

    白山神社・神明神社・稲荷神社

  • 大麻止乃豆乃天神社津島神社

    津島神社

  • 大麻止乃豆乃天神社境内社

    境内社

  • 大麻止乃豆乃天神社境内社

    境内社

  • 大麻止乃豆乃天神社秋葉神社

    秋葉神社

  • 拝殿

    拝殿

  • 大麻止乃豆乃天神社社殿(覆殿)

    社殿(覆殿)

平成19年例大祭(初回御朱印拝受時)

  • 大麻止乃豆乃天神社例大祭山車

    山車

  • 大麻止乃豆乃天神社平成19年例大祭・社前風景

    社前風景

  • 大麻止乃豆乃天神社平成19年例大祭・境内

    境内の様子

  • 大麻止乃豆乃天神社平成19年例大祭・境内社

    境内社

  • 大麻止乃豆乃天神社平成19年例大祭・拝殿

    拝殿

  • 大麻止乃豆乃天神社平成19年例大祭・社殿内部

    社殿内部(本殿)

メモ

大丸地区の南、旧別当・円照寺の裏の丘に鎮座する。寺と墓地の間の石段を登っていくと丘の中腹に境内があり、本社の社殿を境内社が囲んでいる。鬱蒼とした木々に覆われ、ひっそりとした境内である。

平成19年、本務社も御朱印の有無もわからないまま参拝。境内の掲示で神明氷川神社が本務社であることがわかったので連絡を取ったところ、神明氷川神社で対応することもできるが、数日後に大麻止乃豆乃天神社の例大祭があるので、そこで授与してもよいということであった。せっかくなら現地でいただこうということで、例祭当日に2度目の参拝。

普段はひっそりしている神社も氏子さんが集まり、山車やお囃子で大変賑やかだった。社殿には提灯が掲げられ、境内にも提灯がつるされ、いかにもお祭りらしい雰囲気。宮司さんが書き置きの御朱印を準備してくださっており、神事の合間のお忙しいところを対応してくださった。

当時、本社や境内社の屋根は赤いトタン葺きだったのだが、平成22年に参拝した時には、屋根が青くなっていた。塗り替えたのだと思うが、緑青のイメージなのだろうか。

大麻止乃豆乃天神社の概要

名称 大麻止乃豆乃天神社
旧称 丸宮社 円宮明神
御祭神 櫛真知命〔くしまちのみこと〕
鎮座地 東京都稲城市大丸847番地
創建年代 不詳
社格等 式内社(論社) 旧郷社
延喜式 武蔵國多磨郡 大麻止乃豆乃天神社
例祭 10月第1土・日曜日
※10月第1土曜日/宵宮祭
※同翌日曜日/例大祭
神事・行事 1月1日/元旦祭
2月上旬/初午祭
7月海の日/津島神社例祭
9月1日/風祭
12月31日/除夜祭

交通アクセス

□JR南武線「南多摩駅」より徒歩約7分


※掲載の情報は最新のものとは限りません。ご自身で確認をお願いします。

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