北野天満宮

北野天満宮

北野天満宮は全国の天満宮の総本社であり、太宰府天満宮とともに天神信仰の中心である。天暦元年(947)右京七条に住む多治比文子や近江国比良社の禰宜・神良種、北野朝日寺の僧最珍らが協力して北野に神殿を建て、菅原道真公を祀ったことに始まる。永延元年(987)一条天皇の勅使が使わされ、「北野天満天神」の神号が贈られた。以来、朝野の篤い崇敬を受け、特に学問の神様として信仰を集める。
京都府の神社

正式名称 北野天満宮〔きたのてんまんぐう〕
御祭神 菅原道真公 〈相殿〉中将殿 吉祥女
社格等 二十二社 式外社 旧官幣中社 別表神社
鎮座地 京都市上京区馬喰町 [Mapion|googlemap]
公式サイト http://www.kitanotenmangu.or.jp/
諸国神社御朱印集
全国には約8万の神社があるといわれる。これは宗教法人となっている神社の数で、旧官国幣社や別表神社など多くの参詣者を集める大きな神社から地域の氏子によって守られる村の氏神様までさまざまである。また、宗教法人になっていない小さな祠も多く、それら...

御朱印

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(1)平成18年拝受の御朱印。朱印は梅鉢の神紋と「北野天満宮」。

(2)平成26年拝受の御朱印。朱印は平成18年のものと同じ。

(3)平成28年拝受「文道大祖 風月本主」の御朱印。朱印は「北野天満宮之印」。

(4)平成28年拝受「和魂漢才」の御朱印。朱印は通常の御朱印と同じ。

(5)平成28年拝受「至誠」の御朱印。朱印は通常の御朱印と同じ。

昔の御朱印

大正・昭和の御朱印

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(1)大正8年の御朱印。墨書は「官幣中社/北野天満大神/社務所」。中央の朱印は「北野神社之印」。この印は明治半ばには使われていた。左下の印は「北野神社社務所印」。

(2)昭和2年の御朱印。中央下の朱印は「北野神社之印」で(1)と同じ。上の印は「北野天満宮 千二十五年祭 参拝記念」。

(3)昭和3年の御朱印。中央の朱印は「官幣中社北野神社参拝記章」。右上の印は「北野天満宮」、左下は「北野神社社務所印」。

(4)昭和4年の御朱印。上の朱印は「北野天満宮」、下は「北野神社 参拝之章」。

(5)昭和9年の御朱印。上の印は「北野天満宮」で(3)と同じ。下は「北野神社之印」で、周囲が欠けているが(1)と同じものと思われる。この印が傷んだために(3)(4)の印が作成されたが、何らかの理由で再びこの印が使われるようになったのであろう。

(6)昭和10年代の御朱印。朱印は「北野天満宮」で、現在のものと似ている。昭和10年代の半ばに使われていたようで、年代の確実なところで昭和14年の例がある。因みに昭和17年発行の『惟神の礎』にはこれら3種とは違う「天満宮印」という印影が掲載されている。

江戸・明治の御朱印

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(1)明和6年(1769)の御朱印。中央に朱印はない。左下の黒印は判読できない。墨書は「奉納大乗妙典/京北野/天満宮御宝殿也/当番/行者丈」。

(2)文政6年(1823)の御朱印。中央に朱印はない。左下の黒印は判読できない。墨書は「奉納経/山城国/北野天満宮御宝前/当番」。

(3)明治16年(1883)の御朱印。中央の朱印は「北野神社之印」、大正時代にも使われていた印である。左下は「北野神社社務所印」。墨書は「官幣中社/北野神社/社務所」。

御由緒

北野天満宮は天神信仰発祥の地、全国の天満宮の総本社であり、菅公〔かんこう〕の廟所である太宰府天満宮とともに天神信仰の中心である。全国の天満宮・天神社の多くは両社のいずれかから勧請されたものである。学問・和歌の神、雷神として農耕の神、また正直・至誠の神として広く信仰を集める。

延喜元年(901)菅原道真は讒言のため太宰権帥〔だざいのごんのそち〕に左遷され、同3年(903)太宰府で薨去した。その後、京では落雷の災害が度々起こって清涼殿が炎上したり、疫病が流行るなどの異変が相継いだ。醍醐天皇の皇子が次々に亡くなり、道真の左遷に関わった人々やその一族で災厄に遭うものが多かったため、道真の祟りとされた。そこで朝廷は道真の名誉を回復し、慰霊に努めた。

天慶5年(942)右京七条に住む多治比文子〔たじひのあやこ〕(童女とも菅公の乳母ともいう)に、北野の右近馬場に祀れという託宣があった。文子は貧しいため、やむなく邸内に祠を建てて祀った。さらに天暦元年(947)近江国比良社の禰宜・神良種〔みわのよしたね〕の子・太郎丸に託宣があり、文子や良種、朝日寺の最珍らが協力して北野に社殿を建てた。これが北野天満宮の起こりである。

天徳3年(959)には右大臣藤原師輔が社殿を増築、神宝を寄進した。

朝廷からの崇敬も篤く、永延元年(987)には初めて勅祭(北野祭)が行われ、一条天皇より「北野天満天神」の神号が贈られた。正暦4年(993)には正一位太政大臣が追贈された。翌5年(994)には祈雨の奉幣に預かる。また、二十二社にも列している。

天正15年(1587)には豊臣秀吉が北野大茶湯を催した。現在、12月1日に行われる献茶祭は、このゆかりによるものである。慶長12年(1607)には豊臣秀頼が現在の社殿を造営した(国宝)。
江戸時代、幕府からは朱印領500石を寄進された。また、学問の神としての信仰が高まり、寺子屋などに御分霊が祀られるようになった。

平安時代から明治の神仏分離に至るまで、北野天満宮の別当は曼殊院門跡が兼ねていた。

明治4年(1871)官幣中社に列した際、社号が「北野神社」と改められたが、戦後、元の「北野天満宮」に復している。

写真帖

  • 大鳥居

    大鳥居

  • 影向松

    影向松

  • 伴氏社

    末社 伴氏社

  • 楼門

    楼門

  • 福部社・老松社

    摂社 福部社・老松社

  • 火之御子社・白太夫社

    摂社 火之御子社・白太夫社

  • 三光門

    中門(三光門)

  • 拝殿

    拝殿

  • 本殿

    本殿

  • 地主社

    摂社 地主社

  • 竈社

    末社 竈社と明智の鳥居

メモ

さすが学問の神様だけあって、修学旅行らしい生徒の姿が多い。時期的なものもあろうが、とにかく人の途切れることがない。
境内には地主社や文子天満社を始め、摂末社がたくさんある。その一つ、菅公の母君を祀る伴氏社の鳥居は、両方の柱の下が蓮華の形になっており、木嶋神社(蚕の社)の三ツ鳥居、京都御苑内厳島神社の唐破風鳥居とともに京都三珍鳥居と称されている。
また、大鳥居を入ってすぐのところにある「影向の松」は、節分までの間に初雪が降った日には天神様が降臨し、雪見の歌を詠むという伝承がある。そのため、初雪が降ると硯・筆・墨を備えて初雪祭を行うという。

北野天満宮の概要

名称 北野天満宮
通称 北野天神
旧称 北野神社 北野社 北野宮寺
御祭神 菅原道真公〔すがわらのみちざねこう〕
〈相殿〉
中将殿〔ちゅうじょうどの〕(菅公のご子息)
吉祥女〔きっしょうめ〕(菅公の北の方)
鎮座地 京都市上京区御前通今小路上ル馬喰町
創建年代 天暦元年(947)
社格等 二十二社 旧官幣中社 別表神社
例祭 8月4日(北野祭)
神事・行事 1月1日/歳旦祭
1月2日~4日/筆始祭と天満書
1月25日/初天神
2月立春前日/節分祭と追儺式
2月25日/梅花祭と梅花祭野点大茶湯
3月15日/春祭(祈年祭)
4月第3日曜直前の木曜~第3日曜/文子天満宮祭
4月20日/明祭
6月1日/雷除大祭(摂社・火之御子社例祭)
6月25日/御誕辰祭、大茅の輪くぐり
6月30日/夏越の大祓
7月7日/御手洗祭と七夕祭「棚機祭」
旧8月15日/名月祭(芋名月)
旧9月13日/名月祭(豆名月)
10月1日~5日/瑞貴祭
10月21日/一条天皇行幸始祭
10月29日/余香祭
11月23日/新嘗祭
11月26日/御茶壺奉献祭・口切式
12月1日/献茶祭
12月13日/大福梅の授与
12月25日/終い天神
12月31日/大晦日の行事
文化財 〈国宝〉本殿・石の間・拝殿・楽の間(合一棟) 紙本著色北野天神縁起絵巻八巻(附同縁起下絵一巻・梅樹蒔絵箱一合)〈重文〉中門(三光門/附左右袖塀二棟) 廻廊 後門 透塀(附棟札六枚) 東門 紙本著色北野天神縁起絵巻三巻(弘安本) 紙本著色北野天神縁起絵巻三巻(土佐光信筆) 紙本著色北野天神縁起絵巻(土佐光起筆) 絹本著色舞楽図二幀 紙本墨画雲龍図 板絵金地著色昌俊弁慶相騎図(長谷川等伯筆) 木造鬼神像 太刀(銘:安綱/鬼切) 太刀(銘:備州長船師光応永九年) 太刀(銘:助守) 太刀(銘:恒次) 刀(銘:北野天満天神豊臣秀頼公御造営之寺于時慶長十二丁未十一月日信濃守国広造) 日本書紀(二十八冊) 紫紙金泥金光明最勝王経第一(後宇多天皇宸翰)〈重文〉御土居
巡拝 神仏霊場95番

交通アクセス

□京福電鉄北野線「北野白梅町駅」より徒歩5分
□JR・近鉄「京都駅」よりバス
■市バス50・101系統「北野天満宮前」下車すぐ
□JR・地下鉄東西線「二条駅」または阪急京都線「大宮駅」よりバス
■市バス55系統「北野天満宮前」下車すぐ
□地下鉄烏丸線「今出川駅」よりバス
■市バス51・102・203系統「北野天満宮前」下車すぐ

京都府の神社
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