又旅社(御供社)は八坂神社の御旅所で、四条京極の御旅所に対して「又旅所」、三基の神輿を迎えて神饌を御供えすることから「御供社」と呼ばれる。かつて、この地は祇園御霊会が行われた神泉苑の南の端だった。7月24日の奉饌祭で社前に立てられる「オハケ」は、神泉苑のほとりの祭場であった時代の名残であろうという。
京都府の神社
正式名称 | 八坂神社境外末社 又旅社〔またたびしゃ〕 |
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異称 | 御供社〔ごくうしゃ〕 |
御祭神 | 素戔嗚尊 櫛稲田姫命 八柱御子神 |
社格等 | 旧官幣大社八坂神社末社 |
鎮座地 | 京都市中京区御供町289 [Mapion|googlemap] |
公式サイト | http://www.yasaka-jinja.or.jp/about/matatabi.html |
御由緒
又旅社(御供社)は八坂神社の御旅所で、四条京極の御旅所に対して「又旅所」と呼ばれる。
当社の鎮座する三条大宮は「列見の辻」と呼ばれる。古来、祇園社の三期の神輿のうち、少将井(櫛稲田姫命)神輿は都の北を、大政所(素戔嗚尊)神輿と八王子(八柱御子神)神輿は都の南を巡り、この地で合流した。
現在でもその伝統に則り、祇園祭の還幸祭(7月24日、かつては6月14日)に三基の神輿を迎え、神饌を御供えする。御供社・御供町の名はこれに由来するという。
貞観11年(869)平安京に疫病が流行したため、神泉苑に66本の矛を立て、祇園社(八坂神社)の神輿を迎えて祇園御霊会が行われた。往古、この地は神泉苑の南の端であった。
現在でも、八坂神社の神輿は神泉苑で神仏それぞれの拝礼を受けた後、当社に安置して奉饌祭を執り行うが、その際、社前に「オハケ」が立てられる。これは水辺を表す芝生に三本の御幣を立てたもので、もともと神泉苑のほとりの祭場であった名残であろうという。
明治6年(1873)村社に列格、同39年(1906)村社を廃して八坂神社の境外末社とされる。
御朱印

(1)
(1)平成21年拝受の御朱印。朱印は「八坂神社御供社」。
※御朱印は八坂神社にて授与。
写真帖
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三条会商店街
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鳥居
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社殿
メモ
三条通商店街に面して大きな朱の鳥居が建ち、その奥に御供社の小さな社がある。御朱印は八坂神社の授与所でいただける。
八坂神社で御朱印をいただいた後、自転車で四条御旅所を経て御供社へと向かったのだが、下調べが不十分だったため、なかなか見つからず、御池通に出て神泉苑の看板が見えたため、そちらに先に参拝した。その後、ようやく見つけたのだが、その時は単に神泉苑と近いんだなあと思っただけだった。
後日、調べているうちに神泉苑との関係が判り、あながち迷ったのも意味のないことではなかったと感じた次第(もちろん、神泉苑と祇園御霊会の関係は知っていたが、御供社が神泉苑の一角であったということは知らなかった)。
※最近は又旅社を正式名称にしているようで、御朱印も「御供社」から「又旅社」に変わったようだ。
又旅社(御供社)の概要
名称 | 又旅社(御供社) |
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通称 | 神社の通称 |
旧称 | 神社の旧称 |
御祭神 | 素戔嗚尊〔すさのおのみこと〕 櫛稲田姫命〔くしいなだひめのみこと〕 八柱御子神〔やはしらのみこがみ〕 |
鎮座地 | 京都市中京区三条通黒門西入御供町289番地 |
創建年代 | 貞観11年(869) |
社格等 | 旧官幣大社八坂神社末社 (旧村社) |
例祭 | 3月27日 |
神事・行事 | 1月27日/新年祭 4月下旬日曜日/春季祭並蘇民将来祈願祭 7月23日/オハケ清祓式 7月34日/又旅社奉饌祭 10月下旬日曜日/秋季祭並神恩感謝祭 |
交通アクセス
□地下鉄東西線「二条城前駅」より徒歩7分
□阪急京都線「大宮駅」より徒歩7分
□JR・近鉄「京都駅」よりバス
■市バス9・50系統「堀川三条」下車徒歩3分