幸神神社

幸神神社

幸神神社は、社伝によれば建武2年(1335)山城国の出雲路幸神社(京都市上京区)の御分霊を勧請したことを創祀とする。御祭神は猿田彦大神で、交通・旅行の安全、夫婦和合、悪霊を防ぐ等の神徳があり、導きの神として信仰を集める。境内のシダレアカシデは国の天然記念物に指定されている。

正式名称 幸神神社〔さちかみじんじゃ〕
御祭神 猿田彦大神
社格等 旧無格社
鎮座地 東京都西多摩郡日の出町大久野2129 [Mapion|googlemap]
最寄り駅 武蔵五日市(JR五日市線)
バス停:大久野中学校
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御朱印

  • 幸神神社の御朱印

    (1)

(1)平成21年拝受の御朱印。中央の朱印は「幸神宮」。

※平成29年時点では御朱印の対応はしていないようである。

御由緒

幸神神社境内

御祭神

■猿田毘古大神

天孫降臨の際に道案内をした神であることから、導きの神徳、交通・旅の安全、悪霊防禦、夫婦和合のなどの守護をいただけると崇敬されている。

御由緒(歴史)

幸神神社は、大久野村東部の幸神〔さぢかみ〕に鎮座し、山城国愛宕郡の出雲路幸神社〔いずもじのさいのかみのやしろ〕(京都市上京区幸神町)の御分霊を勧請したことに始まると伝えられる。

出雲路幸神社は、延暦13年(794)桓武天皇が平安京の鬼門守護として、京極の東の鴨川畔に祀ったと伝えられる。古くは出雲路道祖神と呼ばれており、天慶2年(939)内裏に御分霊を奉遷し、庚申祭を執り行ったという。中世の初めには広く知られていたようで、『源平盛衰記』には「笠島道祖神(宮城県名取市の佐倍乃神社)は都の出雲路道祖神の娘」とある。

社伝によれば、建武2年(1335)3月26日に勧請され、幸神大神と称した。以来、奥野村(大久野村のことか?)の地主の神として崇敬され、奥野村幸神あるいは大奥野村幸神とも称されたという。

文安(1444~49)から永禄(1558~70)の間に平山季重(武蔵七党の一・西党日奉氏の武将で、治承・寿永の乱では源義経に従って活躍、奥州合戦でも戦功を上げ、鎌倉幕府の元老として取り立てられた)の末裔・平山総景が社殿を再建した。

江戸時代には幸神明神社と称し、『新編武蔵風土記稿』には「除地三段四畝二歩。当社あるを以てこの辺りを幸神という。本社は小社にて拝殿あり、二間に四間半。祭神は猿田命なれど、幸神と称号する由来は詳ならず」と記されている。

明治2年(1869)10月28日、幸神神社と改称。昭和17年(1942)境内のシダレアカシデが国の天然記念物に指定された。

社号について

「幸神」の読み方については、東京都神社庁の公式サイトでは「さちかみ」、『平成「祭」データ』では「さちがみ」となっている。一方、国天然記念物の「幸神神社のシダレアカシデ」の場合は「さじかみ」となっている。『新編武蔵風土記稿』では当社の鎮座地の小名・幸神を「さぢかみ」と読ませているので、「さぢかみ」「さじかみ」が本来の読み方かもしれない。

ただし京都の出雲路幸神社を「さいのかみのやしろ」と読むように、本来の意味は「塞の神(さいのかみ/さえのかみ)」つまり道祖神のことであり、本来は「さいのかみ」と呼んでいたのであろう。

シダレアカシデ(枝垂赤四手)

幸神神社シダレアカシデ

アカシデ(赤四手)はカバノキ科クマシデ属の落葉高木で、ソロノキとも呼ばれる。シデは注連縄などに垂らす紙垂〔しで〕のことで、花穂の垂れ下がる様子が紙垂に似ていることによる。若芽が赤いこと、秋に美しく紅葉することからアカシデと呼ばれる。

幸神神社のシダレアカシデはその変種で、大小の枝が根元から屈曲して分かれ、螺旋状によじれ垂れるという珍しい樹である。アカシデは高さ15mほどで中には25mほどに成長することもある高木だが、この木は7.5mほどしかない。樹周は2.12m。全体としてはお椀を伏せたような優美な姿をしている。

樹齢は700年以上ともいわれるが、これは幸神神社の創建時に山城国から移植されたという伝承によるもので、明確な根拠はない。日の出町の樹勢回復調査検討委員会(平成20~23年)は樹齢180年から200年の間であろうと推測している。

変種のためか、この木の種から発芽した苗木はほとんど枝垂れ性を示すことがない。ただ、今から40年ほど前、地元の熱心な愛好家が多数の苗木を育成し、枝垂れ性を示す樹を育てることに成功した。この樹を「呼接〔よびつぎ〕」という方法で増やし、近隣に配られたものが今も見られるという。

写真帖

  • 幸神神社シダレアカシデ

    シダレアカシデ

  • 幸神神社シダレアカシデ

    シダレアカシデ

  • 幸神神社一の鳥居

    一の鳥居

  • 幸神神社二の鳥居

    参道と二の鳥居

  • 幸神神社境内

    境内

  • 幸神神社手水舎

    手水舎

  • 幸神神社神楽殿

    神楽殿

  • 幸神神社境内社

    境内社

  • 幸神神社拝殿

    拝殿

  • 幸神神社本殿

    本殿

メモ

都道31号線、通称秋川街道の幸神交差点から北西に200m余りのところに鎮座する。車道沿いに新しい参道が設けられているが、天然記念物のシダレアカシデは本来の参道の入口近くにある。
参拝時、昼前に伺うとちょうど宮司さんが出かけたところだった。ご家族の方に伺うと夕方には帰ってくるとのこと。そこで、先に檜原村の九頭龍神社を参拝し、帰りに再度伺って、無事に御朱印をいただくことができた。
シダレアカシデは、自然の造形の妙という言葉がふさわしい、とても優美な姿をしており、一見の価値がある。

幸神神社の概要

名称 幸神神社
旧称 幸神明神社
御祭神 猿田彦大神〔さるたひこのおおかみ〕
鎮座地 東京都西多摩郡日の出町大久野2129番地
創建年代 建武2年(1335)
社格等 旧無格社
例祭 3月26日
神事・行事 1月1日/歳旦祭
2月17日/祈年祭
6月30日/大祓
11月23日/新嘗祭
12月31日/大祓・除夜祭
※『平成「祭」データ』による
文化財 〈天然記念物〉シダレアカシデ

交通アクセス

□JR五日市線「武蔵五日市駅」より徒歩20分、またはバス
■西東京バス福生行き「大久野中学校」下車徒歩3分


※掲載の情報は最新のものとは限りません。ご自身で確認をお願いします。

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