第21番 舎心山 太龍寺

21番太龍寺

名称 舎心山 常住院 太龍寺
御本尊 虚空蔵菩薩
所在地 徳島県阿南市加茂町2 [Mapion|googlemap]

【本尊真言】
のうぼう あきゃしゃ きゃらばや おん ありきゃ まりぼり そわか

【御詠歌】
太龍の常にすむぞやげに岩屋 舎心聞持は守護のためなり

【略縁起】
西の高野と称される。寺伝によれば、延暦12年(793)桓武天皇の勅願により阿波国司の藤原文山が伽藍を建立し、弘法大師が虚空蔵菩薩などの諸尊を安置したという。青年時代の大師がこの山の舎心嶽で虚空蔵求聞持法を修したことは『三教指帰』にも記されている。

目次

太龍寺の納経(御朱印)

  • 太龍寺の納経

    (1)

  • 21番太龍寺の納経

    (2)

(1)平成元年に拝受した納経。揮毫は虚空蔵菩薩の種字「タラーク」に「虚空蔵尊」。中央の宝印は雲龍。右上の朱印は「四国第二十一番」、左下は「太龍嶽」。

(2)平成18年に拝受した納経。揮毫は虚空蔵菩薩の種字「タラーク」に「虚空蔵大士」。朱印は平成元年のものと同じ。

江戸時代の納経

  • 天保11年の納経

    (1)

  • 天保12年の納経

    (2)

(1)天保11年(1840)の納経。揮毫は「奉納」「虚空蔵」「太竜寺」。中央に宝印はない。右上の朱印は「四国第廿弌番」。左下の「太龍嶽」は現在のものとほぼ同じ。

(2)天保12年(1841)の納経。版木押しで「奉納大乗妙典」「虚空蔵大士宝前」「阿波舎心山」「太龍寺」「行者丈」。朱印は天保11年のものと同じで、中央の宝印はない。

明治時代の納経

  • 明治38年の納経

    (1)

(1)明治38年(1905)の納経。揮毫は「奉納」「虚空蔵大士」「太龍寺」。中央の宝印は雲龍だが、現在のものとはデザインが異なる。右上の朱印は「二十一番」、左下は「太龍嶽」。

太龍寺について

山号 舎心山(しゃしんざん)
寺号 太龍寺(たいりゅうじ)
院号 常住院(じょうじゅういん)
通称 西の高野
御本尊 虚空蔵菩薩
所在地 徳島県阿南市加茂町竜山2番地
創建年代 延暦12年(793)
開山 弘法大師
宗派等 高野山真言宗
文化財 〈登録有形文化財〉本堂 大師堂 御影堂 護摩堂 多宝塔 六角経蔵 本坊 仁王門 鐘楼門
備考 阿波秩父観音霊場10番

覚え書き

『三教指帰』に「阿国太龍ヶ嶽にのぼりよじ、土州室戸崎に勤念す。多に響きを惜しまず、明星来影す」とあるように、室戸岬の最御崎寺とともに、若き日の弘法大師が虚空蔵求聞持法を修した霊場である。
寺伝によれば、延暦12年(793年)桓武天皇の勅願により阿波の国司・藤原文山が伽藍を建立し、弘法大師が虚空蔵菩薩をはじめとする諸尊の像を五つの堂に安置したという。天長2年(825)淳和天皇が寺領を寄進。その後荒廃したが、白河天皇が東寺の長範僧正に勅して再興させた。
天正年間(1573~92)長宗我部の兵火にかかって焼失、その後も何度か火災に遭ったが、徳島藩主・蜂須賀家の保護を受け、その都度再建された。
山中とはいえ、広い境内に本堂などの伽藍、大師堂、本坊などが点在し、「西の高野」と称される。大師堂は高野山の奥の院と同じく、背後に御廟がある。中世には武将の帰依も篤かった。
「一に焼山(焼山寺)、二にお鶴(鶴林寺)、三に太龍(太龍寺)、遍路ころがし」といわれた阿波の三難所の一つ。60番横峰寺に林道が通じてからは(車で巡拝した場合の)四国第一の難所となったが、現在はロープウェイで簡単に登ることができる。
鶴林寺と太龍寺は谷をはさんで向かい合っているので、厳しい坂道とはいえ、時間はさほどかからない。平成元年の巡拝のときは、まだロープウェイができておらず、車で回ってもかなり歩かなければならなかった。車道は大きく迂回するため、朝、鶴林寺の宿坊を出発して太龍寺を参拝し、道を下り始めた頃、同じ頃出発したバスの人たちが登ってくるのに出会った。
太龍寺の宝印は円形の雲龍の図である。龍の図案の印が登場したのは幕末の頃で、明治になるとデザインは違うが円形の雲龍の印が用いられるようになった。
太龍寺の奥の院は那賀郡那賀町の黒瀧寺である。また、寺から500メートルほど登ったところにある大師修行の霊跡・南舎心ヶ嶽も奥の院とされる。

写真帖

  • 多宝塔

    多宝塔

  • 護摩堂

    護摩堂

  • 本堂

    本堂

  • 大師堂

    大師堂

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