廣田神社摂社 南宮神社 | 兵庫県西宮市

南宮

南宮神社は廣田神社の境外摂社で、西宮神社の境内に鎮座する。平安時代後期には既に御前浜に鎮斎され、浜の南宮と称された。後に境内社であった戎社が広く信仰を集めるようになり、南宮境内は戎社を本社とする西宮神社となった。明治初年に西宮神社が廣田神社から分離した後も南宮は廣田神社の境外摂社として現在に至る。

正式名称 廣田神社摂社
南宮神社〔なんぐうじんじゃ〕
御祭神 豊玉姫神 市杵島姫神 大山咋神 葉山姫神
社格等 旧官幣大社廣田神社摂社
鎮座地 兵庫県西宮市社家町1-10 [Mapion|googlemap]
公式サイト http://www.hirotahonsya.or.jp/
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目次

御朱印

  • 南宮神社の御朱印

    (1)

(1)令和元年拝受の御朱印。中央の朱印は柳葉篆で「南宮神社」。上の印は横見菊の神紋、右は「廣田神社摂社」。

※御朱印は廣田神社でいただける。

御由緒

西宮神社(摂津名所図会)

西宮神社『摂津名所図会』(国会図書館デジタルコレクション)

南宮神社は廣田神社の境外摂社で、西宮神社境内の南門近くに北面して鎮座する。古くは「浜の南宮」とも呼ばれていた。御祭神は豊玉姫神・市杵島姫神・大山咋神・葉山姫神(御斎殿)の4柱だが、当初は三座だったようだ。

創建については詳らかでないが、長承元年(1132)の官宣旨案に「北南両社」とあり、さらに「当社者、崇廟於山脚、或卜台於海辺」と記されていることから、当時すでに御前浜に別宮として南宮が存在し、北の山麓の本社とともに「北南両社」と呼ばれていたことがわかる。

廣田社神領の海岸部には海運業に携わる廻船人や漁民がいた。これらの人々を直接管掌したのが南宮であると考えられており、南宮の敷地では古くから市が立っていた。

『梁塵秘抄』には「南宮の御前に朝日さし、児の御前に夕日さし、松原如来の御前には、つかさまさりの重浪ぞ立つ」、あるいは「浜の南宮は、如意や宝珠の玉を持ち、須弥の峰をば櫂として、海路の海にぞ遊うたまふ」と詠まれ、当時から都にも知られていたことが伺われる。

なお、上の歌にある如意宝珠は廣田神社の社宝とされる「剣珠」のことで、もともと南宮に納められていた。神功皇后が豊浦の津で海中から得たと伝えられる宝珠として古くから名高く、西大寺の叡尊など多くの公家や高僧が南宮に参拝、剣珠を拝観している。

南宮社『摂津名所図会』

西宮神社『摂津名所図会』(部分)南宮社(国会図書館デジタルコレクション)

さて、西宮神社は、南宮境内にあった戎社(戎三郎殿)を起源とする。古くは豊漁の神として信仰されていたが、南宮の敷地に立つ市の市神・商神としても崇敬されるようになった。さらに招福神として広く信仰を集めるようになり、南宮はおろか本社もしのぐほどに発展。南宮境内は戎社を中心とする西宮神社境内となった。

平安時代末期より行われていた神幸式では、広田・南宮・西宮(戎社)の三基の神輿が数百隻の船で和田岬(神戸市兵庫区)に渡御していたが、織田信長の時代に途絶えたという。

明治初年、西宮神社は廣田神社から分離したが、南宮と末社の児社はその後も廣田神社の境外摂末社として現在に至っている。

児社

児社

児社は南宮神社の末社で、南宮の若宮として祀られたと伝えられる。御祭神は児社の神。

創建年代などは詳らかでないが、『梁塵秘抄』にも「南宮の御前に朝日さし、児の御前に夕日さし…」と詠まれている。

写真帖

南宮神社拝殿

拝殿

南宮神社本殿

本殿

児社

児社

メモ

西宮神社の表大門から境内に入り、参道を進んでいくと左側に児社があり、その先に南宮神社が鎮座している。ちょうど南門からの参道を越えたところである。社殿は北向きで、廣田神社と向かい合うような感じである。周囲は筋塀で囲われている。背後に沖恵美酒社が遷されたりといった小さな違いはあるが、『摂津名所図会』の挿絵を彷彿とさせる情景である。

南宮神社の概要

名称 南宮神社
御祭神 豊玉姫神〔とよたまひめのかみ〕
市杵島姫神〔いちきしまひめのかみ〕
大山咋神〔おおやまくいのかみ〕
葉山姫神〔はやまひめのかみ〕
鎮座地 兵庫県西宮市社家町1番10号
創建年代 平安時代
社格等 官幣大社廣田神社摂社
例祭 9月22日
神事・行事 1月9日~11日/御狩祭

交通アクセス

□阪神本線「西宮駅」より徒歩約5分
□JR神戸線「さくら夙川駅」より徒歩約10分
□JR神戸線「西宮駅」より徒歩約15分
□阪急神戸線「夙川駅」より徒歩約15分

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