子安神社(八王子)

子安神社

子安神社は、天平宝字3年(759)勅により橘右京少輔が皇后安産祈願のために創建したと伝えられる。八王子市域最古の神社であり、安産の神として古くから信仰を集めたという。武門の崇敬も厚く、江戸時代には徳川将軍家より朱印地6石を寄進された。

正式名称 子安神社〔こやすじんじゃ〕
御祭神 木花開耶姫命 〈相殿〉天照大御神 素盞鳴尊 大山咋命 奇稲田姫命
社格等 旧郷社
鎮座地 東京都八王子市明神町4-10-3 [Mapion|googlemap]
最寄り駅 八王子(JR中央線・横浜線・八高線)
京王八王子(京王電鉄京王線)
公式サイト http://koyasujinja.or.jp/

御由緒

子安神社は子安村の鎮守で、古くは子安明神社と称した。子安村や現在の子安町・明神町などの名は当社に由来する。旧別当は真言宗の安栄山福伝寺。

社伝によれば、天平宝字3年(759)橘右京少輔という者が勅命を受け、時の皇后の安産祈願のために創建したと伝えられる。

古くより近郷の人々から安産の神として信仰を集めた。武門の崇敬も篤く、八幡太郎義家は奥州征討の砌、戦勝祈願のためにケヤキを18本奉納し、船の形に植えた。これに因んで、この森を船森と称するようになったという。

元徳2年(1330)人見四郎入道光行恩阿が社殿・神櫃を寄進した。恩阿は楠木正成が立て籠もる赤坂城攻めで先陣を務め、討ち死にしたことが『太平記』に描かれている。

江戸時代には、徳川家光以来、代々の将軍より朱印地6石を寄進された。この由緒により三ツ葉葵を神紋として用いる。

明治になって子安神社と改称し、明治5年(1872)村社に列格。昭和18年(1943)郷社に昇格した。

摂社・金刀比羅神社

金刀比羅神社

子安神社の摂社・金刀比羅神社は、寛政9年(1797)八王子の横山宿に住む紀伊の字屋杢代安太郎という者が、讃岐の金刀比羅宮より御分霊を受け、自宅の蔵に奉斎したことに始まると伝えられる。

ところが非常に霊験あらたかであることから自宅に祀ることを畏れ、神卜によって子安神社の境内に遷座したという。

御祭神は大物主命で、古来、商売繁盛・開運厄除・交通安全の御神徳で信仰を集める。また、明治30年(1897)の八王子大火や昭和20年(1945)の八王子大空襲でも焼失を免れたことから、火難災難除などの霊験でも知られる。

御朱印

  • 子安神社の御朱印

    (1)

  • 子安神社の御朱印

    (2)

  • 子安神社俳句の御朱印

    (3)

(1)平成17年拝受の御朱印。朱印は「子安神社之印」。

(2)平成22年拝受の御朱印。中央の朱印は「子安神社之印」、左下の印は「子安神社宮司之印」。

(3)平成28年拝受、俳句の御朱印。中央の朱印は「子安神社之印」、左下は「子安神社社務所印」。揮毫は「湧き出づる 清水も産みの 安らかに」。俳人・山口誓子が子安神社を参拝した際に詠んだと伝えられる句で、子安神社の神楽舞の歌になっているという。

※揮毫が社号の御朱印と俳句の御朱印があり、どちらか一方もしくは両方を選ぶことができる。

摂社・金刀比羅神社の御朱印

  • 金刀比羅神社の御朱印

    (1)

  • 金刀比羅神社の御朱印

    (2)

(1)平成22年拝受の御朱印。中央の朱印は「金刀比羅宮印」、左下の印は「金刀比羅神社宮司之印」。

(2)平成28年拝受の俳句の御朱印。中央の朱印は「金刀比羅宮印」、左下の印は「金刀比羅神社社務所印」。揮毫は「大欅 野にをる如く 紅葉せる」。俳人・山口誓子が子安神社を参拝した際に詠んだとされる句で、金刀比羅神社の神楽舞の歌になっている。

限定御朱印

子安神社祇園祭の御朱印

(1)

子安神社祇園祭の御朱印

(2)

(1)平成28年に拝受した子安祇園祭の限定御朱印、御朱印帳に記帳していただいたもの。「子安神社之印」の金の印と神輿と印を配する。揮毫は最古の和歌とされる素盞嗚尊の御神詠「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を」。

(2)平成28年に拝受した子安祇園祭の限定御朱印、紺紙金泥の書き置きのもの。

※子安神社では初金刀比羅祭、夜間特別参拝などの際にも限定御朱印を授与している。

写真帖

  • 大鳥居

    大鳥居

  • 神楽殿

    神楽殿

  • 厳島神社

    厳島神社(船森弁財天)

  • 神水殿

    神水殿

  • 拝殿

    拝殿

  • 本殿

    本殿

京王八王子駅から歩いてすぐのところに鎮座する。JR八王子駅からもほど近い街中だが、境内には鎮守の森が木陰を作っている。古来、安産の神として信仰を集め、今でも岩田帯や底抜けの柄杓を頒布しているという。
境内には神楽殿のほか、厳島神社(船森弁天社)や祖霊社、稲荷神社などの境内社が鎮座する。拝殿前の神水殿には木花咲耶姫命の御神像が祀られている。

摂社・金刀比羅神社

  • 金刀比羅神社鳥居

    金刀比羅神社鳥居

  • 末社五社

    末社五社

  • 葦船社

    葦船社

  • 金刀比羅神社

    金刀比羅神社

子安神社の拝殿脇にある鳥居と回廊をくぐると、紅白の鮮やかな金刀比羅神社の社殿がある。拝殿の正面には大黒様の絵と「大黒神」の文字がある絵馬型の額が掛かっている。
金刀比羅神社の手前には子安神社の末社五社の社殿がある。手前から石神社・白山社・稲荷神社(船森稲荷社)・御嶽神社・第六天社である。
向かって左手にある葦船社は日留子命〔ひるこのみこと〕を祀る。以前はえびす様の絵に「戎神」とある額が掛かっており、金刀比羅神社と合わせて恵比須・大黒の対になっていたのだが、近年は水子の祈祷が中心になっているようである。

子安祇園祭

  • 子安祇園祭

    子安祇園祭

  • 子安祇園祭

    子安祇園祭

メモ

近年、積極的に教化活動を展開している神社。平成17年に初めて参拝したときに比べ、境内も整備されている。御朱印についても祇園祭や夜間特別参拝などの限定御朱印の授与を行うようになり、多くの参拝者を集めている。

子安神社の概要

名称 子安神社
旧称 子安明神社
御祭神 木花咲耶姫命〔このはなさくやひめのみこと〕
〈相殿〉
天照大御神〔あまてらすおおみかみ〕
素盞嗚尊〔すさのおのみこと〕
大山咋命〔おおやまくいのみこと〕
奇稲田姫命〔くしなだひめのみこと〕
鎮座地 東京都八王子市明神町四丁目10番3号
創建年代 天平宝字3年(759)
社格等 旧郷社
例祭 9月20日(泣き相撲・梨の市)
神事・行事 1月1日/歳旦祭
1月3日/元始祭
1月9・10日/初金刀比羅祭・だるま市
1月15日/どんと祭
2月節分/節分祭
2月初午/稲荷神社初午祭
2月11日/紀元祭
2月17日/祈年祭
3月20日/葦船社祭
4月1日/鎮花祭
4月中旬/夜間参拝
4月29日/卯の花祭
5月5日/勧学祭
6月30日/大祓式
7月第3土・日・月曜日/子安祇園祭
10月1日/弁天祭(放生祭)
10月17日/神明祭
11月3日/明治祭
11月23日/新嘗祭
12月9・10日/納金刀比羅祭
12月31日/火鑚神事・大祓式・除夜祭

交通アクセス

□京王線「京王八王子駅」より徒歩1分
□JR中央線「八王子駅」より徒歩5分

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