上千葉香取神社は、旧別当・普賢寺の山門天井板銘に宝徳3年(1452)再建とあり、それ以前に下総国一宮・香取神宮から御分霊を勧請したものと考えられている。明治6年(1873)千葉神社と改称したが、昭和32年(1957)香取神社に復した。
葛飾区の神社
正式名称 | 香取神社〔かとりじんじゃ〕 |
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御祭神 | 経津主神 天照皇大神 |
社格等 | 旧村社 |
鎮座地 | 東京都葛飾区堀切8-20-25 [Mapion|googlemap] |
最寄り駅 | 綾瀬(JR常磐線、東京メトロ千代田線) 堀切菖蒲園(京成本線) バス停:堀切八丁目 |
御朱印
御朱印は本務社の堀切天祖神社で拝受した。ただし、平成29年6月時点で参拝した際には、上千葉香取神社の社務所で対応しているとのことであった。すでに参拝してきて、再度の参拝は時間の都合上難しい旨を伝えると、書き置きの御朱印で対応してくださった。平成29年5月時点で堀切天祖神社で対応していただいた情報があるので、6月に入って変更したものと思われる。
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(1)平成24年拝受の御朱印。朱印は「香取神社」。
(2)平成29年拝受、書き置きの御朱印。中央の朱印は「香取神社」、右に「上千葉七福神」「上千葉稲荷神社」
御由緒
御祭神
■経津主神
■天照皇大神
上記は『平成「祭」データ』によるが、他サイトを見ると経津主神を主祭神とし、天照皇大神と宇迦之御魂神を相殿神とするものがある。
『神社明細帳』では、御祭神は「経津主命 合殿 天満天神」となっており、明治42年(1909)に村内の天祖神社(旧・神明社)と稲荷神社を合祀している。また、境内社の菅原神社(祭神:天満天神)、稲荷神社(祭神:保食神)が削除されているので、これも本社に合祀したのではないかと思われる。
現在、上千葉香取神社には境内社として天満宮と上千葉稲荷神社がある。按ずるに、本社に祀られていた天満天神と稲荷神社を境内社に遷座し、元からの御祭神である経津主神と旧・神明社の御祭神である天照皇大神を本社の御祭神としているのではないだろうか。
御由緒
上千葉香取神社は、上千葉村の鎮守である。旧別当は真言宗の日照山普賢寺(東堀切3)。
創建年代は詳らかでないが、旧別当・日照山普賢寺の山門天井板銘に「当初香取神社者、再建宝徳三年九月建之。古城内惣鎮守也」とある。宝徳3年(1452)の再建ということなので、創建はそれ以前に遡ると考えられる。「古城内惣鎮守」とあるが、当地付近に古城跡と思われる地名があることから、当地の領主であった葛西氏か千葉氏が香取神宮から御分霊を勧請し、城内の鎮守としたのであろう。
『新編武蔵風土記稿』には「村の鎮守なり。普賢寺持ち」とあり、末社として天神と弁天が記載されている。
明治6年(1873)12月、千葉神社と改称。東京都公文書館の『社寺興廃、社格改称、紛失、類焼之部 〈社寺掛〉』に「上千葉村香取大神北野神社社号千葉神社と改称願」(明治6年)があり、改称前は香取大神北野神社と称していたようである。『東京府志料』にも「香取・北野二社を合社す」とあるが、この北野神社は『新編武蔵風土記稿』にある末社の天神であろうか(未確認)。
明治41年(1908)村内の無格社・天祖神社(旧称・神明社)と稲荷神社を合祀する(※『神社明細帳』によれば、天祖神社は明治41年12月、稲荷神社は同年11月に合祀が許可され、両社とも明治42年3月2日に合祀済届が出されている)。
昭和32年(1957)社号を香取神社に復する。
平成2年(1990)稲荷社、天満宮、七福神の石像と社殿(上千葉七福神)が氏子総代の吉田氏によって寄進される。平成5年(1993)現在の社殿が造営された。
境内社
『新編武蔵風土記稿』には末社として天神・弁天が挙げられている。『神社明細帳』には菅原神社(御祭神:天満天神)と稲荷神社(御祭神:保食神)が記載されているが、どちらも削除されており、本社に合祀したのではないかと思われる。『平成「祭」データ』には稲荷神社のみ名があるが、実際には以下のような境内社がある。
■上千葉稲荷神社
御祭神は宇迦之御魂命。『神社明細帳』には境内社の稲荷神社(御祭神:保食神)と合祀された稲荷神社(御祭神:宇迦之御魂命)が記載されているが、現在の上千葉稲荷神社とどういう関係にあるかは未確認。
■上千葉七福神
鉄筋コンクリート瓦葺きの社殿に七福神の石像が安置されている。平成2年(1990)氏子総代の吉田氏により寄進された。『新編武蔵風土記稿』にある末社の「弁天」に六福神を合わせて七福神としたのではないかとも考えられるが、『神社明細帳』に弁天に関わる境内社の記述がないので、新たに祀ったものかも知れない(未確認)。
■天満宮
御祭神は菅原道真。社殿は石祠で、平成2年(1990)氏子総代の吉田氏により寄進されたものとのことだが、台座は古いもののようである。明治期に本社相殿に祀られた末社の天満天神を再び分祀したものか。昭和32年(1957)香取神社に復称した際に分祀したのかもしれない(未確認)。
■招魂祖霊社・祓所
それぞれ祖霊と祓戸四柱大神を祀るものか。どちらも石祠。招魂祖霊社の前には韓国風の文人石が一対安置されている。
写真帖
メモ
葛飾区の住宅地に鎮座する。明るくよく整備された境内である。御社殿は東京近郊でよく見かける鉄筋コンクリートの権現造だが、拝殿前の石の諫鼓鶏などは珍しい。
香取神社の概要
名称 | 香取神社 |
---|---|
通称 | 上千葉香取神社 |
旧称 | 千葉神社 |
御祭神 | 経津主神〔ふつぬしのかみ〕 天照皇大神〔あまてらすすめおおみかみ〕 |
鎮座地 | 東京都葛飾区堀切八丁目20番25号 |
創建年代 | 宝徳3年(1452)以前 |
社格等 | 旧村社 |
例祭 | 9月10日 |
神事・行事 | 1月5日/元旦祭 2月中午の日/初午祭 4月16日/祈年祭 6月27日/夏越大祓式 11月27日/新穀感謝祭 12月27日/師走大祓式 ※『平成「祭」データ』による |
交通アクセス
□JR常磐線・東京メトロ千代田線「綾瀬駅」より徒歩約12分
□京成本線「堀切菖蒲園駅」より徒歩約18分、またはバス
■京成タウンバス亀有駅行き「堀切八丁目」下車徒歩3分
□京成本線「お花茶屋駅」より徒歩約20分