春日神社(大蔵)

大蔵春日神社

大蔵の春日神社は、宝永4年(1707)旧別当・増福寺の頼盛法印が社殿を建立、奈良の春日大社から御分霊を勧請して創建したと伝えられるが、実際の創建はさらに古く遡るだろうと考えられている。江戸時代には朱印地3石を賜っていた。明治42年(1909)旧大蔵村内の無格社7社を合祀、大蔵地区の総鎮守となった。

正式名称 春日神社〔かすがじんじゃ〕
御祭神 天児屋根命 比売神
社格等 旧村社
鎮座地 東京都町田市大蔵町2822 [Mapion|googlemap]
最寄り駅 鶴川(小田急小田原線)
バス停:大蔵(鶴川郵便局前)
公式サイト https://www.ookura-kasugajinja.org/

御朱印

※御朱印は授与所でいただけるが、神職常駐ではないため、氏子さんによる対応。対応可能な日は神社のサイトに掲載されているが、確定ではないので直筆希望の場合は事前予約が必要とのこと。

  • 大蔵春日神社の御朱印

    (1)

  • 大蔵春日神社弁天堂の御朱印

    (2)

(1)平成29年拝受の御朱印。朱印・墨書ともに「春日神社」。

(2)末社・弁天堂の御朱印、平成29年拝受。朱印は龍女神の御神影。

御由緒

大蔵春日神社

御祭神

■天児屋根命
■比売神

上記は神社公式サイト・東京都神社庁のサイト等による。『平成「祭」データ』では天児屋根命一柱。神社明細帳によれば、主祭神は天津児屋根命で、明治42年(1909)村内にあった下記の神社の御祭神を合祀している。

□八坂神社(東方):素戔嗚尊
□白山神社(打越):伊弉諾命
□諏訪神社(東方):建御名方命
□稲荷神社(東方):稲倉魂命・大宮姫命・大己貴命・太田命・保食命
□八幡神社(中程):応神天皇
□住吉神社(住吉):中筒男命・表筒男命・底筒男命・天照大神
□稲荷神社(井ノ花):稲倉魂命・大己貴命・太田命・大宮姫命・保食命

由緒(歴史)

春日神社は、旧鶴川村(明治22年、当社が鎮座する大蔵村など8ヶ村が合併して成立)のほぼ中央に鎮座する。明治42年(1909)旧大蔵村内に鎮座していた7社を合祀し、大蔵地区の総鎮守となった。

社宝の棟札に、宝永4年(1707)旧別当・増福寺(現・廃寺)の法印頼盛が奈良の春日大社から御分霊を勧請し、社殿を造営したとある。

しかし、当社近隣からは古代から奈良・平安時代の村の跡が発見されており、また、康平5年(1062)源頼義が奥州に下向する際に戦勝を祈願し、社殿を再建したという伝承もある。徳川将軍からも朱印地3石を寄進されていることからも、実際の創建はかなり古く遡り、宝暦4年に社殿が造営されたのであろうと考えられている。

『新編武蔵風土記稿』には、社地百坪、社殿には三間半四方ほどの上屋があり、御神体は頭に青龍を戴き、笏を持った8,9寸ほどの坐像であると記されている。

天保11年(1840)拝殿を造営、明治24年(1891)社殿を再建。明治の社格制度では村社に列格した。

明治42年(1909)村内字東方の八坂神社・諏訪神社・稲荷神社、字打越の白山神社、字中程の八幡神社、字住吉の住吉神社、字井ノ花の稲荷神社を合祀した。この内、打越の白山神社は徳川将軍より朱印地7石5斗を寄せられていた。

昭和9年(1934)現在の社殿が再建された。

弁天堂

大蔵春日神社弁天堂

弁天堂

本社社殿の向かって右側に弁天堂があり、龍女神が祀られている。覆殿の中に木造の社殿が鎮座し、賽銭箱には江島神社の神紋である対い波に三つ鱗の紋が施されている。古来からの龍神信仰の上に、江島などから弁財天を勧請していることによるものらしい。

由緒は不明。神社明細帳にある厳島神社に当たると思われる。それによれば、御祭神は市杵島比売命で、昭和8年(1933)境内末社に編入、翌9年(1934)社殿改築。

弁天堂の他にも末社が幾つかある。神社明細帳には厳島神社の他、三峯神社・秋葉神社・稲荷神社の3社が記されている。

震災モニュメント

大蔵春日神社大正12年奉納の鳥居

震災モニュメント(大正12年奉納の鳥居)

大正12年(1923)9月1日、例大祭最中の午前11時58分、関東大震災が発生。この日、お披露目された石の鳥居も倒壊してしまった。御神徳によるものか奇跡的に参拝者に一人の死傷者もなく、その後、倒壊した鳥居の残骸を集めて記念碑とした。

しかし、長年を経て次第に風化してきたため、平成25年(2013)震災モニュメントとして再整備し、春日神社が幾多の困難を乗り越えて今に至ることを長く伝えていくこととした。

写真帖

  • 大蔵春日神社一の鳥居

    一の鳥居

  • 大蔵春日神社二の鳥居

    二の鳥居

  • 大蔵春日神社狛犬

    狛犬

  • 大蔵春日神社神楽殿

    神楽殿

  • 大蔵春日神社神輿

    神輿

  • 大蔵春日神社手水舎

    手水舎

  • 大蔵春日神社大正12年奉納の鳥居

    震災モニュメント(大正12年奉納の鳥居)

  • 大蔵春日神社石段

    石段

  • 大蔵春日神社随神像

    随神像

  • 大蔵春日神社稲荷社

    稲荷社

  • 大蔵春日神社弁天堂

    弁天堂

  • 大蔵春日神社境内社

    境内社

  • 大蔵春日神社拝殿

    拝殿

  • 大蔵春日神社本殿

    本殿

メモ

鶴見川近くの高台に鎮座する。周囲は開発されて住宅地となっているが、社殿の周りには鎮守の森が残る。参道にはケヤキの巨木がそびえ、歴史を感じさせる。拝殿前の石の随神像が珍しい。御本社の周囲には弁天堂や稲荷社などの末社があり、広い境内ではないが、神域らしい風情をよく保っている。

参拝は11月半ばの週末。神社の公式サイトを見て、七五三のご祈祷が行われている日の夕方に合わせた。七五三の参拝者も一段落し、のんびりとした雰囲気の中をお参りした。

春日神社の概要

名称 春日神社
通称 大蔵春日神社
御祭神 天児屋根命〔あめのこやねのみこと〕
比売神〔ひめのかみ〕
鎮座地 東京都町田市大蔵町2822番地
創建年代 宝永4年(1707)
社格等 旧村社
例祭 9月1日
神事・行事 1月1日/元旦祭
2月3日/節分祭

交通アクセス

□小田急小田原線「鶴川駅」より徒歩25分、またはバス
■神奈中バス野津田車庫行き・本町田経由町田行き・多摩センター行き「大蔵(鶴川郵便局前)」下車徒歩5分

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