
久国神社の創建年代は不詳。元は千代田村紅葉(現・皇居内)に祀られていたが、長禄3年(1457)太田道灌が江戸城を築くに際して溜池に遷し、城隍の鎮守とした。道灌が久国の銘刀を寄進したことから久国稲荷と称されるようになったという。寛保元年(1741)現社地に遷座。昭和2年(1927)久国神社と改称した。
正式名称 | 久国神社〔ひさくにじんじゃ〕 |
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御祭神 | 倉稲魂命 |
社格等 | 旧無格社 |
鎮座地 | 東京都港区六本木2-1-16 [Mapion|googlemap] |
巡拝等 | 港七福神(布袋尊) |

御朱印


(1)平成17年拝受の御朱印。朱印は「久國神社」。
(2)令和6年拝受の御朱印、書き置き。朱印は「久國神社」。


(3)港七福神・布袋の御朱印、平成19年拝受。中央の朱印は布袋尊の御姿で、戦前の「麻布稲荷七福神」の御朱印を引き継いでいる。右上の印は「港七福神/布袋」、左下は「久國神社」。
(4)港七福神・布袋の御朱印、平成31年拝受。中央の朱印は布袋の御姿。右上の印は「港七福神布袋」、左下は「稲荷神社」。
境内社の御朱印


(5)境内社・猿田彦神社の御朱印、令和6年拝受。書き置き。朱印は「猿田彦神社」。
(6)龍神の御朱印、令和6年拝受。書き置き。中央上下の朱印はどちらも龍神像。
昔の御朱印


(7)昭和10年(1935)の御朱印。上の朱印は「久國神社御璽」、下のスタンプは鳥居・社殿に「麻布谷町 久國神社」、布袋尊の袋に「麻布稲荷七福神」。
(8)昭和10年(1935)麻布稲荷七福神の布袋の御朱印。中央の朱印は布袋の御姿、右上の印は「麻布稲荷七福神」、左下は「久國稲荷」。
久国神社について

御祭神
■倉稲魂命
文政寺社書上によれば、当時の御神体は弘法大師御作と伝えられる荼枳尼天像だった。
御由緒
久国神社の創建年代は不詳だが、元は千代田村紅葉(現・皇居内)に鎮座していたという。
寛正6年(1465)太田道潅により江戸城の鎮護として溜池に遷座した。その後、久国(鎌倉時代の刀工・粟田口久国)作の銘刀を寄進されたことから久国稲荷と称するようになった。
永禄3年(1560)現社地に遷座。別当は修験道当山派の岸照山林昌寺覚源院であった。氏子区域は麻布谷町と御箪笥町(現在の六本木一・二・三丁目の各一部)。
明治初年の神仏分離により、別当・覚源院は復飾して神職となったが、後に荒廃し、麻布氷川神社の兼務社となった。当時の社号は「稲荷神社」。明治7年(1874)の記録には「先年青山より出火のみぎり類焼につき仮宮」とあるという。
明治21年(1888)拝殿を再建。さらに大正11年(1922)本殿・拝殿・社務所を再建した。
昭和2年(1927)社号を久国神社と改めた。
昭和20年(1945)空襲により神輿庫・手水舎を除いて全焼、昭和28年(1953)現在の社殿が再建された。
写真帖

参道と社号標。奥に見える高台の麓、一段高くなったところに境内がある。『東京名所図会』には「今井町の高台を負い、石磴(石段のこと)十級、壇上に社殿、神楽殿、水屋あり」と記されている。

石段と鳥居。

鳥居脇の狛犬。独特な風貌をしている。

鳥居をくぐると正面に手水舎がある。

左側は「久国神社境内遊び場」。広場と遊具がある。

右側には社殿がある。

社殿の手前右側の切り株に港七福神の布袋様が祀られている。その上に猫が寝転がっていた。

布袋尊の傍には龍神様の象がある。

拝殿。

本殿。

社殿の向かって左側に猿田彦神社が祀られている。

猿田彦神社。御祭神は猿田彦命。
メモ
六本木2丁目の交差点から一つ裏の通りに入ったところに鎮座する。境内には遊具が置かれ、公園のようになっている。紫陽花が植えられており、参拝したときは青や赤の花を咲かせていた。近くに六本木ヒルズや全日空ホテルなどが並ぶ東京でももっとも繁華な地点だが、周囲の喧噪から切り離されたかのような、のんびりとした雰囲気の神社だった。
久国神社の概要
名称 | 久国神社 |
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旧称 | 稲荷神社 久国稲荷社 |
御祭神 | 倉稲魂命〔うかのみたまのみこと〕 |
鎮座地 | 東京都港区六本木二丁目1番16号 |
創建年代 | 不詳 |
社格等 | 旧無格社 |
例祭 | 6月8日 |
神事・行事 | 1月1日/元旦祭 2月節分/節分祭 2月17日/祈年祭 3月上午の日/初午祭 4月11日/猿田彦神社祭 6月28日/大祓 11月23日/新嘗祭 12月8日/鞴祭 12月31日/大祓 |
巡拝 | 港七福神(布袋尊) |
交通アクセス
□六本木一丁目駅(南北線)より徒歩4分
□溜池山王駅(銀座線・南北線)より徒歩7分
□赤坂駅(千代田線)より徒歩8分
□六本木駅(日比谷線・都営大江戸線)より徒歩9分
参考資料
・久国神社由緒書
・文政寺社書上
・『東京名所図会』(明治35年)
・『麻布区史』東京市麻布区(昭和16年)
・『港区史』東京都港区(昭和35年)
・『平成「祭」データ』
・Wikipedia
更新履歴
2006.01.29.公開
2006.12.25.更新、画像を追加
2015.12.06.更新、御朱印を追加
2016.09.29.更新、Wordpressへ移行
2025.08.02.改訂、御朱印と画像を追加
