河原稲荷神社は、かつて神田・駒込とともに江戸三大市場に数えられた千住青物市場(やっちゃ場)の守護神であった。創建年代は不詳だが、千住市場が開かれた天正年間(1573~93)に遡るのではないかと考えられている。
正式名称 | 稲荷神社〔いなりじんじゃ〕 |
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通称 | 河原稲荷神社 |
御祭神 | 倉稲魂神 |
社格等 | 旧村社 |
鎮座地 | 東京都足立区千住河原町10-13 [Mapion|googlemap] |
最寄り駅 | 千住大橋(京成本線) 北千住(JR常磐線・東京メトロ日比谷線・千代田線・東武伊勢崎線・つくばエクスプレス) |
御朱印
(1)平成17年拝受の御朱印。朱印は「稲荷神社」。
(2)千寿七福神・福禄寿の御朱印、平成23年拝受。
御由緒
かつて、河原稲荷神社が鎮座する河原町には千住青物市場(やっちゃ場)があり、当社は河原町の鎮守であるとともに、千住市場の守護神でもあった。千住青物市場は天正4年(1576)に創設され、神田・駒込とともに江戸三大市場に数えられた。
河原稲荷神社の創建年代等は不詳だが、市場創設の頃に遡るのではないかと考えられている。安永5年(1776)本殿の御遷宮があり、文化元年(1804)には拝殿を造営している。
明治6年(1873)村社に列格した。
足立区の登録文化財に指定されている千貫神輿は、明治3年(1870)に完成したもの。実量は450貫とのことである。かつては各問屋の力自慢の若衆が二天(長柄2本)で担ぎ、神社を出て市場に入り、それから氏子町内を渡御するのが慣わしであったという。
社殿は昭和20年(1945)戦災により焼失し、昭和41年(1966)に再建されたもの。また、日光街道拡幅のための境内整備により、同44年(1969)神楽殿や御輿庫を建て替えているが、境内には千貫神輿をはじめ、文政13年(1830)奉納という石の鳥居や狛犬、嘉永3年(1850)奉納の天水桶など、かつての市場の繁栄を伝える遺物も多い。
写真帖
メモ
河原稲荷神社は日光街道沿い、千住大橋を渡って500メートルほどのところに鎮座する。現在は道沿いであるが、旧日光街道からは少し入ったところになる。
境内にある明治39年(1906)5月22日に行われた千住青物市場創立三百三十年記念祭に建立された記念碑は高さが4mもある。このときは千貫神輿と少年たちの中神輿、子供たちの小神輿の三基の神輿、さらに神功皇后と大蕪の二基の山車が市場を練り歩いたという。何でも、この祭のために問屋が三軒潰れたとかで、当時の市場の人々の気質が偲ばれる。
河原稲荷神社の概要
名称 | 稲荷神社 |
---|---|
通称 | 河原稲荷神社 |
御祭神 | 倉稲魂神〔うかのみたまのかみ〕 |
鎮座地 | 東京都足立区千住河原町10番13号 |
創建年代 | 不詳 |
社格等 | 旧村社 |
例祭 | 9月22日 |
神事・行事 | 1月1日/歳旦祭 2月3日/節分祭 5月22日/例祭 6月30日/大祓 ※『平成「祭」データ』による |
巡拝 | 千寿七福神(福禄寿) |
交通アクセス
□京成本線「千住大橋駅」より徒歩約2分
□JR常磐線・東京メトロ日比谷線・千代田線・東武伊勢崎線「北千住駅」より徒歩約12分