社伝によれば、鎌倉幕府滅亡後、北条一門が当地に逃れ、稲荷大明神を奉斎したことに始まる。御神木の大イチョウは、暴風雨で飛んできたイチョウの枝が根付き、いつしか亭々たる大樹になったもので、これに因んで飛木稲荷神社と称されるようになった。第二次大戦の空襲をうけた時、我が身を焦がして延焼を防ぎ、多くの命を救ったことから「身代わり飛木の大イチョウ」として知られる。
正式名称 | 稲荷神社〔いなりじんじゃ〕 |
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通称 | 飛木稲荷神社〔とびき いなりじんじゃ〕 |
御祭神 | 宇迦神霊命 |
社格等 | 旧村社 |
鎮座地 | 東京都墨田区押上2-39-6 [Mapion|googlemap] |
御朱印
(1)平成17年拝受の御朱印。朱印は「飛木稲荷神社」。
(2)平成28年拝受の御朱印。中央の朱印は「飛木稲荷神社」で平成17年のものと同じ。右上は「東京押上鎮座」。
御由緒
旧請地村の鎮守。旧別当は飛木山円通寺。創建年代は不詳だが、明治2年(1869)の神社明細帳には応仁2年(1468)の創建とある。
伝承によれば、鎌倉幕府滅亡の後、北条氏の一門がこの地に逃れてきて稲荷大明神を祀ったという。
また、暴風雨によって飛んできた銀杏の枝がこの地に刺さり、いつしか亭々たる大樹となったため、里人がこれを瑞兆として稲荷神社を祀ったともいう。社前の銀杏の大木がそれとされ、「飛木」の名もこれに因む。
昭和8年(1933)村社に昇格した。
資料
吾嬬町誌
飛木稲荷神社
本社に西一丁目一番地に所在し無格社である。社掌は千葉一慶、旧来吾嬬請地、本所区向島請地の鎮守であつた。本社も古い記録の拠るべきものなき為め詳細を知る能はざるも、北條の末期か或ひは足利初期時代の創建なるべしと思惟される。附近の人の尊崇厚く、社前にある神木は年代不詳なるも、飄然として飛び来つた銀杏の枝が芽を出し生育したといふので、人称して飛木稲荷と呼ぶに至つた。大祭は毎年九月十七日、月の縁日は十六日で参詣者頗る多し。
写真帖
メモ
社名の由来となった大銀杏は樹齢500~600年といわれる。区内随一の大木で、区の天然記念物に指定されている。戦災で焼けたために一時は樹勢が衰えたが、今は再び勢いを取り戻している。幹には今も焦げ跡が残る。我が身を焦がして延焼を防ぎ、多くの命を救った「身代わり飛木の大イチョウ」として知られている。
飛木稲荷神社の概要
名称 | 稲荷神社 |
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通称 | 飛木稲荷神社 |
御祭神 | 宇迦神霊命〔うかのみたまのみこと〕 |
鎮座地 | 東京都墨田区押上二丁目39番6号 |
創建年代 | 不詳 |
社格等 | 旧村社 |
例祭 | 9月17日前後の土・日曜日 |
神事・行事 | 1月1日/歳旦祭 2月上午の日/初午祭 2月11日/建国記念祭 4月15日/ぼんでん祭・日枝神社例祭 6月30日/大祓 11月23日/新嘗祭 12月31日/大祓 |
交通アクセス
□都営浅草線・東京メトロ半蔵門線・京成本線・東武伊勢崎線「押上駅」より徒歩4分。
□東武伊勢崎線「曳舟駅」より徒歩4分