青渭神社 | 東京都稲城市

青渭神社

青渭神社は、延喜式神名帳所載の多摩郡八座の一・青渭神社の論社である。その昔、この辺りには大きな沼があったと伝えられ、江戸時代以前は青沼大明神あるいは大沼明神と呼ばれていた。明治6年(1873)郷社に列格。秋の例大祭に奉納される獅子舞は稲城市の文化財に指定されている。

正式名称 青渭神社〔あおいじんじゃ〕
御祭神 青渭神 猿田彦命 天鈿女命
社格等 式内論社 旧郷社
鎮座地 東京都稲城市東長沼1054 [Mapion|googlemap]
最寄り駅 稲城長沼(JR南武線)
稲城(京王相模原線)
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目次

御朱印

青渭神社の御朱印 青渭神社の御朱印 none
(1) (2)

(1)平成19年拝受の御朱印。中央の朱印は判読しづらいが「青渭」か。

(2)平成30年拝受の書き置きの御朱印。中央の朱印は平成19年のものと同じ。左下は「青渭神社社務所之印」。

御由緒

青渭神社一の鳥居

御祭神

■青渭神
■猿田彦命
■天鈿女命

『新編武蔵風土記稿』は猿田彦命、『江戸名所図会』は大田命・猿田彦大神の二柱、『特選神名牒』は青沼馬押比売命(青沼馬沼押比売神〔あおぬまぬおしひめのかみ〕のことか?)、『明治神社誌料』は青渭神とする。

御由緒

青渭神社手水鉢

手水鉢

 

青渭神社は、江戸時代以前は青沼大明神あるいは大沼明神と号し、長沼村(現・稲城市東長沼)の鎮守であった。延喜式神名帳所載の多摩郡八座の一・青渭神社に比定される。

創建年代については詳らかではないが、社伝では弘仁年間(810~24)の勧請とされる。その昔、この辺りには大きな青い沼があり、その神霊を祀ったことが起源と考えられている。村名の長沼も、その沼が長い形をしていたことに由来すると伝えられる。

『江戸名所図会』によれば、当時、沼があったとされる辺りはすでに水田になっていたが、土を掘ると地中はことごとく沼土であったという。

明治の初め、社号を青渭神社と改め、明治6年(1973)郷社に列格した。現在の社殿は昭和49年(1974)に再建されたものだが、旧来からの本殿が覆殿内に納められている。

例大祭に奉納される獅子舞は、大獅子・女獅子・求獅子の三頭と天狗によって舞われるもので、稲城市の文化財に指定されている。大正4年に中断したが、昭和12年に復活し、現在に至る。かつて稲城市内各地で獅子舞が行われていたが、現在は当地と矢野口(穴澤天神社)に伝わるのみという。

式内論社

延喜式神名帳所載の青渭神社の論社には、当社(青沼明神)の他、調布市深大寺元町の青渭神社(青波天神)と青梅市沢井の青渭神社(惣岳明神)がある。いずれも水と深い関わりのある神社である。

深大寺の青渭神社は、往古、社前に大きな池があり、青波が立ったので青波天神と称されたという。沢井の青渭神社は惣岳山の山頂に鎮座するが、その近くに真名井と称する霊泉があり、一年中涸れることがなかった。この霊泉を別名・青渭の井とも称し、社号の由来になったという。長沼の青渭神社は、上述のように大きな沼があったことによる。

『特選神名牒』は、他の2社が伝承のみを根拠とするのに対し、当社周辺には青ヌマ前、青ヌマ出口、青渭後といった字があることから、当社を式内・青渭神社に比定している。

社号の「青渭」について、『延喜式』の九条家本や吉田家本では「アヲヰ」と傍訓があるが、『神祇志料』は「アヲヌマ」としている(※ただし、比定社は深大寺の青渭神社)。また、『江戸名所図会』は、平安時代の『和名類聚抄』は武蔵国比企郡の渭後という地名を記載し、「ぬまのしり」と読ませていることを指摘している。

もし「青渭」が「あおぬま」であったとすると、当社の旧称である「青沼明神」は古代の社号をそのまま継承していた可能性も考えられるだろう。

写真帖

青渭神社一の鳥居

一の鳥居

青渭神社社号標

社号標

青渭神社参道

参道

青渭神社二の鳥居

二の鳥居

青渭神社狛犬

狛犬(文政13年)

青渭神社手水舎

手水舎

青渭神社境内社

境内社

青渭神社神楽殿

神楽殿

青渭神社拝殿

拝殿

青渭神社本殿(覆殿)

本殿(覆殿)

メモ

JR稲城長沼駅と京王線稲城駅のほぼ中間の住宅街の中に鎮座する。小ぶりの古い石の鳥居から並木の続く参道にかけてはひなびた古社の雰囲気がある。二の鳥居を過ぎると視界が開け、鉄筋コンクリート造の社殿周辺はいかにも住宅地の中の神社という印象である。とはいえ、欅の古木や江戸時代の狛犬に農村の鎮守らしい名残がうかがえる。神楽殿は町会の会館を兼ねた建物になっているようだ。

御朱印は社殿背後にある宮司さんのお宅で拝受することができる。

青渭神社の概要

名称 青渭神社
旧称 青沼大明神 大沼明神
御祭神 青渭神〔あおいのかみ〕
猿田彦命〔さるたひこのみこと〕
天鈿女命〔あめのうずめのみこと〕
鎮座地 東京都稲城市東長沼1054番地
創建年代 伝・弘仁年間(810~24)
社格等 式内社(論社) 旧郷社
延喜式 武蔵國多磨郡 青渭神社
例祭 10月第1日曜日
神事・行事 1月1日/元旦祭
2月3日/節分祭
2月17日/祈年祭
2月上午の日/初午祭
4月20日/氷雨祭
8月20日/風祭
11月23日/新嘗祭
※『平成「祭」データ』による

交通アクセス

□JR南武線「稲城長沼駅」より徒歩5分
□京王相模原線「稲城駅」より徒歩12分

更新履歴

2007.10.07.公開
2018.01.15.改訂、WPに移行、御朱印・画像追加。

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