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武蔵野乃一本榎 熊野宮 | 東京都小平市

一本榎熊野宮

熊野宮は、元は式内社・阿豆佐味天神社(瑞穂町殿ヶ谷)の摂社で、岸村(武蔵村山市岸)に鎮座していた。岸村の小川九郎兵衛が小川村を開発した際、小川村の名主屋敷に遷祀され、宝永元年(1704)その子孫の小川弥市が小川新田を開発するに先立ち、その守護神として、武蔵野の一本榎と呼ばれていた榎の大木の下に遷座・奉斎されたと伝えられる。

正式名称 熊野宮〔くまのぐう〕
御祭神 伊邪那岐大神 伊邪那美大神 〈相殿〉早玉男乃神 事解雄乃神 猿田彦神
社格等 旧村社
鎮座地 東京都小平市仲町361 [Mapion|googlemap]
最寄り駅 小平(西武新宿線)
バス停:熊野宮前
公式サイト http://kumanogu.com/
北多摩地域の神社
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御由緒

小平市仲町に鎮座する熊野宮は、小川新田(現在の小平市仲町・喜平町・学園東町・学園西町と上水本町の一部・上水新町)の鎮守である。

かつて、この地域は「逃げ水の里」と呼ばれるほど水の便が悪く、荒涼たる武蔵野の原野が広がるばかりであった。田無から箱根ヶ崎まで5里の間は村もなく、往来の人は寒暑風雨や飲み水の確保に難儀したという。その原野の中に一本の榎の大木があり、旅人やまぐさを刈る近くの村の人々の目印となって「武蔵野の一本榎」と呼ばれていた。

熊野宮は、もともと多摩郡殿ヶ谷村(西多摩郡瑞穂町殿ヶ谷)の式内社・阿豆佐味天神社の摂社で、岸村字岸組(武蔵村山市岸)に鎮座していた。岸村の小川九郎兵衛が小川村(現在の小平市小川町他)を開発したとき、阿豆佐味天神社の神主であった宮崎主馬とともに小川村の名主屋敷に遷し祀った(九郎兵衛は開発の功績により小川村の名主となった)。

その後、小川弥市(九郎兵衛の子孫、小川村の名主)が小川新田を開発するに先立ち、宝永元年(1704)宮崎主馬がこの社を一本榎の下に遷座し、その守護神として奉斎した。以来、小川新田の鎮守として現在に至る。

因みに小川村の鎮守である小平神明宮も、岸村神明ヶ谷に鎮座していた阿豆佐味天神社の摂社・神明社を、小川九郎兵衛と宮崎主馬が勧請したものである。

明治6年(1873)村社に列格。

明治40年(1907)村内の無格社・庚申社を合祀した。この社は、享保の頃(1716~36)近隣の村と境界争いがあったため、宮崎主馬が紛争を解決し、境界保全のため享保15年(1730)に奉斎したという。

一本榎は寛保年間(1742~44)に枯れてしまい、一本榎神社として祀られた。現在立っているのは三代目の孫木である。

御朱印

  • 一本榎熊野宮の御朱印

    (1)

  • 一本榎熊野宮の御朱印

    (2)

(1)平成18年拝受の御朱印。中央と左下の朱印は「熊野宮璽」。上の印は「武州 小川 生 一本榎」

(2)平成28年拝受の御朱印。中央上の朱印は「熊野宮」。下の印は「参拝之證 一本榎 夫婦欅 武蔵国小平小川新田鎮座」。

写真帖

  • 一の鳥居

    一の鳥居

  • 二の鳥居

    二の鳥居

  • 神門

    神門

  • 水神社

    水神社

  • 境内

    境内

  • 夫婦欅

    夫婦欅

  • 拝殿

    拝殿

  • 本殿(覆殿)

    本殿(覆殿)

  • 境内社

    境内社

  • 一本榎

    一本榎(三代目)

見どころ

■一本榎
本殿の背後に立っている。初代の一本榎は樹齢数百年で、その影は百数十間に及んだという。寛保年間(1742~44)に初代が枯れた後に植えられた二代目も目通り7尺(約2.1m)あったというが、大正3年(1914)暴風雨により倒れた。現在は三代目で、樹齢約100年となっている。

■夫婦欅
社殿正面に立つ樹齢約300年の2本の欅。夫婦円満の象徴として親しまれているという。

メモ

青梅街道沿いに大きな一の鳥居が建っている。社殿が北向きなのは、一本榎の根元から青梅街道に向かう形で祀られたためであろうか。
2度ほど参拝したが、授与所に人がいなかったため、平成18年の1月2日に参拝し、御朱印をいただいた。それからちょうど10年後の平成28年1月2日、2度目の御朱印をいただいた。

熊野宮の通称について、ネット上では「小平熊野宮」としている例があるが、当の熊野宮ではほとんど使っていないようだ。以前の御朱印の墨書その他には「武蔵野乃一本榎 熊野宮」とあるが、少し長くて使いづらい。神社の絵馬や提灯には「一本榎熊野宮」とあり、また「一本榎」は熊野宮付近の旧地名でもあるので、これを用いるのが妥当ではないかと思うが、ネット上には見られない。

熊野宮の概要

名称 熊野宮
通称 一本榎熊野宮 武蔵野乃一本榎 熊野宮 小平熊野宮 一本榎神社
御祭神 伊邪那岐大神〔いざなぎのおおかみ〕
伊邪那美大神〔いざなみのおおかみ〕
〈相殿〉
早玉男乃神〔はやたまのおのかみ〕
事解雄乃神〔ことさかのおのかみ〕
猿田彦神〔さるたひこのかみ〕
鎮座地 東京都小平市仲町361番地
創建年代 宝永元年(1704)
社格等 旧村社
例祭 9月19日
神事・行事 1月1日/歳旦祭
2月11日/紀元節祭
3月春分/祖霊社慰霊祭
4月2日/祈年祭
6月30日/大祓式
11月20日/新嘗祭
12月31日/大祓式
※『平成「祭」データ』による

交通アクセス

□西武新宿線「小平駅」より徒歩約12分、またはバス
■西武バス国分寺駅北入口・武蔵小金井駅行き「熊野宮前」下車徒歩2分

東都神社御朱印集
東京の神社400社以上の御朱印や由緒などの紹介。珍しい江戸時代から昭和戦前までの御朱印も掲載。
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