小野神社は、延喜式内社で武蔵国一宮とされる小野神社の論社である。社伝によれば、安寧天皇の御代の鎮座とされる。武蔵執権の世になり、六所宮(大國魂神社)が崇敬されたため、当社は衰微してしまったという。
正式名称 | 小野神社〔おのじんじゃ〕 |
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通称 | 小野宮小野神社〔おののみや おのじんじゃ〕 |
御祭神 | 天下春命 瀬織津比売命 |
社格等 | 式内論社 旧郷社 |
鎮座地 | 東京都府中市住吉町三丁目19-3 [Mapion|googlemap] |
最寄り駅 | 中河原(京王線) 西府(JR南武線) バス停:変電所前 |
御朱印
(1)平成21年、本務社・谷保天満宮で拝受した御朱印。中央の朱印は「神社之璽」、左下は「宮司之印」。
(2)平成24年、例祭時に神社でいただいた御朱印。朱印は「小野神社之印」。
(3)平成29年、本務社・谷保天満宮で拝受した御朱印。朱印は「小野神社之印」。
御由緒
小野神社(小野宮小野神社)は、旧本宿村小野宮〔おののみや〕地区の鎮守。多摩市一ノ宮の小野神社とともに、延喜式神名帳所載の小野神社の論社である。
一般に武蔵国の一宮はさいたま市大宮区の氷川神社とされているが、『神道集』の「武蔵六所大明神事」では小野神社が一宮、氷川神社は三宮とされている。
一ノ宮の小野神社との関係については、もともと小野宮の小野神社が式内社で、後世、一ノ宮に分祀されたとも、その逆とも言われる。あるいは、小野宮が旧地だが、多摩川の氾濫で社地・集落ともに押し流され、対岸に移住した人々によって一ノ宮に小野神社が祀られた。後に一部の人が旧地に帰り、社を再建したのが小野宮の小野神社だという説もある。また、もともと一つの神社だったものが、多摩川の氾濫などで二つになったともいう。
とはいえ、いずれも確たる根拠のある説とはいえず、定説はない。因みに、江戸時代までは一ノ宮の小野神社は一宮大明神、小野宮の小野神社は小野大明神と呼ばれていた。なお、府中の六所宮(大國魂神社)では一ノ宮の小野神社を一宮の本社としている。
昭和30年代まで、六所宮のくらやみ祭には一ノ宮の小野神社の神輿も参加していたが、そのルートは一ノ宮から関戸橋を渡って小野宮を経由し、それから府中本町まで渡御していたという。明治6年(1873)には、ともに郷社に列格している。
社伝によれば、安寧天皇の御代(B.C.548~B.C.511)の創建。『三代実録』には、元慶8年(884)従五位上小野神に正五位上を授くとある。『新編武蔵風土記稿』には、武蔵執権の世になって六所宮が崇敬されたため次第に衰微し、祭祀も六所宮が行うようになったとある。
御祭神については、元は瀬織津比売命一座であったが、後に一ノ宮の小野神社から天下春命を迎えたという伝がある。また、江戸時代の資料によれば倉稲魂命を加えて祭神三座とするものもあるらしいが、明治以降の資料に倉稲魂命は見えないようだ。
写真帖
メモ
平成20年、さるサイトに府中の小野神社の御朱印が掲載されていることを発見。早速、本務社の谷保天満宮に問い合わせたのだが、御朱印はないとの答えであった。祭礼時に神社の役員に聞くしかないかと思っていたのだが、例年、この時期は出張が入るため、御朱印拝受はほぼ断念していた。
ところが、このことを「関東の神社めぐり プチ神楽殿」で報告したところ、赤城おろしさんが谷保天満宮と話をしてくださり、祭礼当日なら特別に拝受できることとなった。そこで、「プチ神楽殿」の神楽さんが音頭を取り、府中・多摩・町田の小野神社の御朱印を拝受するプチオフ会が企画された。
しかし、いかんせん私は出張で参加できず。そこで、代理を派遣して谷保天満宮のみご一緒させてもらい、無事に御朱印をいただいた次第。しかし、小野神社では、同行された御津垣さんの問い合わせを受けた役員さんが新しく作ったという御朱印も拝受できたとのこと。残念ながら、そちらはいただいていない。
詳しくは、神楽さんの「関東の神社めぐり プチ神楽殿」及び伊達青衝さんの「神のやしろを想う」を参照されたし。
追記:平成24年の例大祭時、現地での御朱印をいただくことができた。社殿脇に設けられたテントで授与していたので、小野宮小野神社の御朱印も定着したものと思われる。因みに、谷保天満宮での御朱印授与も、繁忙期以外、事前連絡で調整できれば随時いただけるようである(ヨルカさんからの情報)。
小野神社の概要
名称 | 小野神社 |
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通称 | 小野宮小野神社 |
旧称 | 小野大明神 |
御祭神 | 天下春命〔あめのしたはるのみこと〕 瀬織津比売命〔せおりつひめのみこと〕 |
鎮座地 | 東京都府中市住吉町三丁目19番3号 |
創建年代 | 伝・安寧天皇18年(B.C.531) |
社格等 | 式内社(論) 旧郷社 |
延喜式 | 武蔵国多磨郡 小野神社 |
例祭 | 9月中旬日曜日 |
交通アクセス
□京王線「中河原駅」より徒歩約7分
□JR南武線「西府駅」より徒歩約13分