富岡八幡宮 | 東京都江東区

富岡八幡宮(深川)

富岡八幡宮は、寛永年間(1624~44)長盛法印が託宣を受け、永代島の周辺を開拓して別当の永代寺とともに開創したと伝えられる。幕府の手厚い保護を受け、将軍の参詣や社殿の造営が行われた。貞享元年(1684)には江戸で初めての勧進相撲を行っている。例大祭「深川八幡祭り」は山王祭・神田祭とともに江戸の三大祭りに数えられる。

正式名称 富岡八幡宮〔とみおかはちまんぐう〕
御祭神 応神天皇 外八柱
社格等 旧府社 元准勅祭社 別表神社
鎮座地 東京都江東区富岡1-20-3 [Mapion|googlemap]
公式サイト http://www.tomiokahachimangu.or.jp/
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目次

御朱印

  • 富岡八幡宮の御朱印

    (1)

  • 富岡八幡宮の御朱印

    (2)

  • 富岡八幡宮の御朱印

    (3)

(1)平成17年拝受の御朱印。朱印は「富岡八幡宮」。

(2)平成24年拝受の御朱印。朱印は平成17年のものと同じだが、右下に「元准勅祭神社十社之内」という印が入っている。

(3)平成29年拝受の御朱印。中央の朱印は以前のものとほぼ同じだが、枠が太くなっているように思われる。右下の印は「元准勅祭社十社之内」、左下は神輿の図。

(4)深川七福神、恵比須神の御朱印。平成19年拝受。

境内社の御朱印

  • 七渡神社の御朱印

    (1)

  • 富士浅間社の御朱印

    (2)

  • 大鳥神社の御朱印

    (3)

  • 富岡八幡宮恵比須神の御朱印

    (4)

(1)令和元年拝受、七渡神社の御朱印。朱印は「富岡八幡宮境内鎮座 七渡社」。揮毫は「七渡弁財天社」。七渡神社の例祭日に拝受できる。

(2)平成30年拝受、富士浅間社の御朱印。朱印は「富岡八幡宮境内鎮座 富士浅間社」。揮毫は「富士浅間社」。富士浅間社の例祭日に拝受できる。

(3)令和3年拝受、大鳥神社の御朱印。中央の朱印は「富岡八幡宮境内鎮座 大鳥社」、左下に「一之酉」、右下に縁起物の熊手のスタンプ。酉の市に拝受できる。

(4)平成19年拝受、深川七福神の恵比須神の御朱印。恵比須社に祀られている。

昔の御朱印

昭和の御朱印

  • 富岡八幡宮の御朱印

    (1)

  • 富岡八幡宮の御朱印

    (2)

  • 富岡八幡宮の御朱印

    (3)

(1)昭和8年の御朱印。上の印は「東京府社富岡八幡神社参拝記念」、下は「富岡八幡神社社務所印」。

(2)同じく昭和8年の御朱印で、朱印は同じだが、「府社 富ヶ岡八幡宮」の揮毫が入っている。

(3)昭和10年代の御朱印。上の朱印は「富岡八幡神社」、下は「富岡八幡神社社務所」。

江戸・明治の御朱印

  • 富岡八幡宮の御朱印

    (1)

  • 富岡八幡宮の御朱印

    (2)

(1)天保11年(1840)の納経(御朱印)。刷り物である。文字は版木押しで「奉納大乘妙典 八軸/御府内一方大社 永代島富賀岡 八幡宮/移八十八ヶ霊場第六十八番 讃州七寶山琴彈寺 弘法大師 御寶前/武州豊島郡/大榮山永代寺/知事」。中央に法印はない。左下の朱印は「別當所」。

(2)明治16年(1883)の御朱印。揮毫は「東京府社/富岡八幡宮/社務局」。中央の朱印はアヒルクサ文字で「とみかおかのかみのやしろ(富賀岡の神の社)」。左下は「富賀岡社務局」。

御由緒

富岡八幡宮は深川八幡宮とも称し、江戸東部第一の大社として広く信仰を集めてきた。

寛永元年(1624)長盛法印が夢告を受け、先祖伝来の八幡大菩薩像を捧持して京都から江戸に下向した。永代島の葦原に白羽の矢のみを安置する小祠を見つけ、夢に告げられた神縁の地であることを悟って神像を安置した。寛永4年(1627)幕府より社地を賜って社殿を造営し、別当の永代寺を創建したという。

また一説には、砂村新田の元八幡(南砂の富賀岡八幡宮)が旧地であったともいう。当社の神像は源頼政が尊信していたもので、千葉氏、足利氏、管領上杉家に伝えられ、太田道灌がことに厚く崇敬していたが、道灌没後は所在がわからなくなっていた。長盛法印が霊示を受け、砂村の祠でこの神像を感得し、寛永4年(1627)永代島に再興したと伝えられる。

以来、永代島周辺の砂州を埋め立てて6万坪余りという広大な社地を得た。そのうち約2万坪が富岡八幡宮と永代寺の境内地で残りは町屋とされ、門前四ヶ町が開かれた(永代寺門前町・永代寺門前仲町・永代寺門前山本町・永代寺門前東仲町)。

深川の木場を中心に広く信仰を集めるとともに、徳川将軍家の庇護を受け、将軍の参詣や社殿の造営が行われた。氏子は深川・本所から霊岸島・箱崎・新堀にかけての110ヶ町余に及んだ。

貞享元年(1684)寺社奉行の許しを得て、初めて勧進相撲を行った。これが江戸勧進相撲の始まりで、両国の回向院・蔵前の石清水八幡宮(蔵前神社)とともに勧進相撲の三大拠点であった。そのため、明治33年(1900)建立の大関力士碑をはじめ、大相撲ゆかりの碑が多い。また、門前には茶店などが建ち並び、江戸有数の有楽の地となった。

明治になり、神仏分離によって永代寺は廃絶、永代寺16世の周徹は還俗して神官となった(現在は旧塔頭の吉祥院が法灯を継いで永代寺を称している)。明治元年(1868)准勅祭社に列し、翌2年(1869)社号を富岡八幡神社と改称。同6年(1873)府社に列格。

例大祭の深川八幡祭りは寛永19年(1642)若君(徳川家綱)ご祈祷のために神事祭礼を執り行ったことに始まり、日枝神社の山王祭・神田神社の神田祭とともに江戸三大祭りに数えられる。元禄年間(1688~1704)に紀伊国屋文左衛門が奉納した総金張りの神輿三基は関東大震災で焼失したが、平成3年(1991)、日本一の大きさと豪華さを誇る御本社神輿が再興された。

補足

現在、社号の「富岡」は「とみおか」と読んでいるが、本来は「とみがおか」で「富ヶ岡」「富賀岡」とも書いたようである。社伝によれば貞享2年(1685)永代寺4世周光の夢に聖徳太子が現れ、当地を富賀岡と名付けるように告げたという。
なお、横浜市金沢区の富岡八幡宮が当社の元宮であるという説があり、ウィキペディアにもそういう記述があるが、深川の富岡八幡宮に関する資料でその説に触れたものは見当たらない。また『新編武蔵風土記稿』久良岐郡富岡村の八幡社の項にもそのような伝承は記されていない。横浜の富岡八幡宮の名が富岡(とみおか)村に因るものであることを考え合わせれば、当社が富岡を「とみおか」と読むようになった明治以降にできた説であろう。

写真帖

  • 大鳥居

    大鳥居

  • 大関力士碑

    大関力士碑

  • 神輿庫

    神輿庫

  • 伊能忠敬像

    伊能忠敬像

  • 木遣りの碑

    木場の木遣りの碑

  • 七渡神社

    七渡神社

  • 永昌稲荷

    永昌五社稲荷神社

  • 末社六社

    末社六社

  • 横綱力士碑

    横綱力士碑

  • 金刀比羅・富士浅間社

    金刀比羅社・富士浅間社

  • 恵比須社・大国社

    恵比須社・大国社

  • 大鳥・鹿島神社

    大鳥神社・鹿島神社

  • 拝殿

    拝殿

  • 本殿

    本殿

メモ

現在でも広大な境内であるが、かつては深川不動堂や深川公園を含む一帯が永代寺・富岡八幡宮の境内だったという。祭事のほか、骨董市やフリーマーケットなど催し物もしばしば行われ、参拝者も多い。

富岡八幡宮の概要

名称 富岡八幡宮
通称 深川八幡宮
旧称 永代寺八幡宮 富賀岡八幡宮
御祭神 応神天皇〔おうじんてんのう〕
〈相殿〉
天照皇大神〔あまてらすおおみかみ〕
天児屋根命〔あめのこやねのみこと〕
大雀命〔おおささぎのみこと〕
武内宿禰命〔たけしうちのすくねのみこと〕
息長足姫命〔おきながたらしひめのみこと〕
常磐社神
〈合祀〉
日本武命〔やまとたけるのみこと〕
竈神
鎮座地 東京都江東区富岡一丁目20番3号
創建年代 寛永4年(1627)
社格等 旧府社 元准勅祭社 別表神社
例祭 8月15日(深川八幡祭り)
※前後に神幸祭・神賑行事
神事・行事 1月1日/歳旦祭
2月節分/節分祭
2月8日/献針祭
2月11日/紀元祭
6月17日/七渡神社例祭
6月30日/大祓式
7月1日/富士浅間神社例祭
11月酉の日/大鳥神社例祭(酉の市)
11月23日/秋祭
12月31日/大祓式・除夜祭
巡拝 東京十社 深川七福神(恵比須神)

交通アクセス

□東京メトロ東西線「門前仲町駅」より徒歩約3分
□都営大江戸線「門前仲町駅」より徒歩約6分
□JR京葉線「越中島駅」より徒歩約15分

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