神宮及び官国幣社の御朱印一覧

これまで資料として収集してきた昔の御朱印より、近代社格制度における神宮及び官国幣社の当時の御朱印を紹介する。原則として明治から昭和20年までの御朱印を掲載するが、一部は昭和20年代の御朱印を掲載している。

すべての官国幣社の御朱印が揃ったわけではないが、223社中209社分についてはこの期間の御朱印がある。特に官幣大社・国幣大社・官幣中社についてはすべて揃っている(ただし厳格に言うと、終戦間際に鎮座した関東神宮の御朱印、及び諏訪大社のうち上社前宮の御朱印が欠けている)。欠けている14社のうち国幣中社3社については終戦直後の御朱印があり、これを含めると国幣中社もすべて揃う。

欠けている神社の御朱印に関しては、可能なものはおかもと氏の「昔の集印帖」より許可を得て転載させていただく。

これにより、創建年代が遅く、当時の御朱印が現存するか否かがわかならない(印影も確認できない)関東神宮と福井神社、及び朝鮮・台湾にあった国幣小社5社を除く216社分の御朱印が掲載できることになった。ネット上もちろん、実際にもこれだけの御朱印が揃っている例はなかなかないのではないかと思われる。

また各神社について、絵はがきを中心に当時の写真を掲載する。これらも私が収集してきたもので、当時の様子をうかがうことができる貴重な資料である。

上賀茂神社 神宮・官幣大社の御朱印(1)
伊勢神宮・賀茂別雷神社~石上神宮
春日大社 官幣大社の御朱印(2)
春日大社~廣田神社
熱田神宮 官幣大社の御朱印(3)
氷川神社~橿原神宮
平安神宮 官幣大社の御朱印(4)
平安神宮~筥崎宮
八坂神社 官幣大社の御朱印(5)
八坂神社~南洋神社・関東神宮
高良大社 国幣大社の御朱印
気多大社~南宮大社
梅宮大社 官幣中社の御朱印(1)
鎌倉宮~太宰府天満宮
厳島神社 官幣中社の御朱印(2)
生田神社~坐摩神社
弥彦神社 国幣中社の御朱印(1)
敢國神社~弥彦神社
海神神社 国幣中社の御朱印(2)
出雲大神宮~海神神社
伊曽乃神社 国幣中社の御朱印(3)
金刀比羅宮~伊曽乃神社
大國魂神社 官幣小社の御朱印
大國魂神社~志賀海神社
飛騨一宮水無神社 国幣小社の御朱印(1)
砥鹿神社~枚聞神社
箱根神社 国幣小社の御朱印(2)
神部神社~佐太神社
京城神社 国幣小社の御朱印(3)
吉備津彦神社~嘉義神社
湊川神社 別格官幣社の御朱印(1)
談山神社~常磐神社
山内神社 別格官幣社の御朱印(2)
照國神社~山内神社

凡例

(1)掲載基準

1.旧官国幣社の昔の御朱印のうち、原則として近代社格制度が制定された明治4年(1871)から廃止された昭和20年(1945)までの御朱印を掲載する。ただし、手許にある資料の都合上、昭和20年代の御朱印を掲載している場合が数社ある。

2.大正・昭和の御朱印については、朱印もしくは朱印の組み合わせが異なっている御朱印を一点ずつ掲載し、同じ印が押されている場合は省略する。

3.基本的に私の所有する御朱印を掲載しているが、私が御朱印を所有していないいくつかの神社については、おかもと氏の『昔の集印帖』より許可を得て転載させていただいている(諏訪大社上社前宮・波上宮・嘉義神社・北畠神社)。

4.昭和17年(1942)に刊行された『惟神の礎』には当時の官国幣社の御朱印の印影がすべて掲載されている。それらを参考資料として掲載する。

5.昭和19年に鎮座した関東神宮については御朱印の存在を確認していない(御朱印はあったと思われるが、印影が残っていない)。ただし、御鎮座記念の切手と御鎮座当日の旅順郵便局の特印があるので、これを代わりに掲載する。

6.同じく昭和18年に鎮座した福井神社についても、現時点では終戦以前の御朱印の印影を見たことがない。こちらは代用になる資料もないため掲載を省略する。

7.外地の国幣小社については、手許に御朱印がある朝鮮の京城神社・龍頭山神社・平壌神社、台湾の台中神社は通常通りに掲載する。また、台湾の嘉義神社はおかもと氏の『昔の集印帖』より転載させていただいた。昭和17年刊行の『惟神の礎』に印影が掲載されている大邱神社と光州神社は、その印影を掲載する。それ以外の全州神社・咸興神社(以上朝鮮)、新竹神社(以上台湾)については掲載を省略する。

(2)掲載順序

1.神社の掲載順序は大日本神祇会編『神道読本』(昭和19年)の官国幣社一覧に基づく。

2.社格は官幣大社・国幣大社・官幣中社・国幣中社・官幣小社・国幣小社・別格官幣社の順に掲載。

(3)各神社の説明について

1.画像は特に断りがない場合、私が資料として収集している戦前の絵葉書である。一部は昭和12年(1937)に刊行された『全国官国幣社写真帖』(愛知県神職会編)より転載している。また一部は国会図書館デジタルコレクションより転載している。

2.社号・御祭神・鎮座地は昭和20年時点のもの。()内に現在の情報を掲載、必要に応じて明治以降の変遷を追記する。

3.社格及び六国史所載の神階は、近代社格制度における社格と深く関わっているため、参考として記載する。例えば大正2年(1913)の『官国幣社昇格内規』を見ると、官幣大社は「延喜の制名神大社に列せられ、(中略)国史所載の神階三位以上に昇り」とある。複数の御祭神が神階を奉授されている場合、その中の最も高位のものとする。

※参考:官国幣社昇格内規の規定
・官幣大社…式内官幣大社で三位以上
・官幣中社…式内官幣大社で四位以上
・官幣小社…式内小社で五位以上
・国幣大社…式内国幣大社で三位以上、かつ諸国一宮もしくは一宮と同等の由緒
・国幣中社…式内国幣大社で四位以上、もしくは式内国幣小社で三位以上、かつ諸国一宮もしくは一宮と同等の由緒
・国幣小社…式内国幣小社で五位以上、かつ諸国一宮もしくは一宮と同等の由緒

4.明治以降に創建された神社については、御鎮座以前に社格が与えられているケースがあるので、創建年代(=御鎮座)も記載する。

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