近代社格制度における神宮及び官国幣社の御朱印の紹介。近代社格制度が制定された明治4年(1871)から廃止された昭和20年(1945)までの御朱印を掲載する(ただし一部戦後の御朱印を含む)。
ここでは官幣小社全5社の御朱印を掲載した。ただし波上宮の御朱印については手許にないため、おかもと氏が運営する「昔の集印帖」より許可を得て転載させていただいた。
神社の順序、掲載する御朱印の基準、各神社の説明の内容についてはこちらを参照。
各神社の画像はいずれも資料として収集した戦前の絵はがきである。
神宮及び官国幣社の御朱印一覧
大國魂神社
■大國魂神社
御祭神:武蔵大國魂神
鎮座地:東京都北多摩郡府中町六所口(府中市宮町)
社格:武蔵国総社、准勅祭社
昇格:明治18年4月22日
※明治7年県社(神奈川県)→明治18年官幣小社
公式サイト:https://www.ookunitamajinja.or.jp/
■御朱印
(1)明治17年(1884)の御朱印。中央の朱印は「總社政所」。左下の印は「大國魂神社宿直所印」。墨書は「北多磨郡府中/武蔵國總社 大國魂神社/社務所」。
(2)明治35年(1902)の御朱印。中央の朱印は「官社國魂大神」、左下の印は「大國魂神社社務所」。墨書は「武蔵府中/官幣小社大國魂神社/社務所」。
(3)昭和5年(1930)頃の御朱印。中央の朱印は(2)と同じ「官社國魂大神」。右上の印は「東京府下府中町鎮座」、下は「大囶魂神社々務所印」。
(4)昭和9年(1934)頃の御朱印。上の朱印は「大國魂神社」。下は「東京府府中町官幣小社大國魂神社々務所」。
(5)昭和16年(1941)の御朱印。朱印は「大國魂神社印」、昭和17年の『惟神の礎』にはこの印が掲載されている。
(6)昭和17年発行の『惟神の礎』(紀元二千六百年奉祝会編)に掲載されている印影。
波上宮
■波上宮
御祭神:速玉男尊、伊弉冉尊、事解男尊
鎮座地:沖縄県那覇市若狭町(那覇市若狭)
社格:琉球八社
列格:明治23年1月20日
公式サイト:http://naminouegu.jp/
※絵はがき…昭和20年(1945)戦災で焼失した旧社殿
■御朱印
(1)昭和8年(1933)の御朱印、おかもと氏の「昔の集印帖」より許可を得て転載。上の朱印は「官幣社波上宮」、下の印は「官幣小社波上宮社務所」。墨書は「官幣小社波上宮」。
(2)昭和17年発行の『惟神の礎』(紀元二千六百年奉祝会編)に掲載されている印影。ただし、この印を御朱印として使っている例は現時点で確認できていない。
竈門神社
■竈門神社
御祭神:玉依姫命
鎮座地:福岡県筑紫郡太宰府町内山(太宰府市内山)
社格:式内社(名神大)
国史所載の神階:従四位上
昇格:明治28年9月25日
※明治5年村社→明治28年官幣小社
公式サイト:https://kamadojinja.or.jp/
※絵はがき…下宮旧拝殿。現在の拝殿は昭和2年(1927)に造営。
■御朱印
(1)昭和7年(1932)上宮の御朱印。中央の朱印は「官幣小社竈門神社寶滿山上宮」。右の印は「寶滿山上宮」。
(2)昭和7年(1932)下宮の御朱印。中央上の朱印は「竈門神社印章」。右の印は「寶滿山下宮」、下は「官幣小社竈門神社社務所印」。
(3)時期不詳の御朱印、昭和10年代のものか。中央の朱印は「竈門神社」で、昭和17年の『惟神の礎』にはこの印が掲載されている。下の印は(2)と同じ「官幣小社竈門神社社務所印」。
(4)昭和23年(1948)上宮の御朱印。中央の朱印は(3)と同じ「竈門神社」、戦後の御朱印だが、戦中と同じ印が使われていたようだ。右は(1)と同じ「寶滿山上宮」。
(5)昭和23年(1948)下宮の御朱印。中央の朱印は「官幣小社竈門神社」で、戦後の御朱印だが戦中に使われていた印をそのまま使っていたようだ。右は(2)と同じ「寶滿山下宮」。
(6)昭和17年発行の『惟神の礎』(紀元二千六百年奉祝会編)に掲載されている印影。
住吉神社
■住吉神社
御祭神:底筒男命、中筒男命、底筒男命
鎮座地:福岡県福岡市住吉(福岡市博多区住吉)
社格:式内社(名神大)、筑前国一宮
国史所載の神階:従五位下
昇格:大正4年11月10日
※明治5年県社→大正4年官幣小社
公式サイト:https://www.nihondaiichisumiyoshigu.jp/
■御朱印
(1)明治30年(1897)の御朱印。朱印は押されていない。墨書は「福岡縣筑紫郡住吉村/縣社/住吉神社/社務所」。
(2)昭和6年(1931)の御朱印。上の朱印は「官幣小社住吉神社印」、昭和17年の『惟神の礎』にはこの印が掲載されている。下の印は「住吉神社社務所之印」、右は「福岡市住吉町鎮座」。
(3)昭和15年(1940)の御朱印。中央の朱印は(2)と同じ「官幣小社住吉神社印」。右の印は「筑前住吉鎮座」。
(4)昭和18年(1943)の御朱印、大判の集印帖。中央の朱印は「住吉神社」、右は「官幣小社」。
(5)昭和17年発行の『惟神の礎』(紀元二千六百年奉祝会編)に掲載されている印影。
志賀海神社
■志賀海神社
御祭神:底津綿津見神、中津綿津見神、上津綿津見神
鎮座地:福岡県糟屋郡志賀島村志賀島(福岡市東区志賀島)
社格:式内社(名神大)
国史所載の神階:従五位上
昇格:大正15年1月4日
※明治5年村社→大正15年官幣小社
■御朱印
(1)明治22年(1889)の御朱印、木版刷りの書き置き。。中央の朱印は波に三つ巴の神紋。下の印は「志賀神社社務所印」。文字は木版で、「筑前國糟屋郡志賀嶋/志賀神社」。
(2)昭和14年(1939)の御朱印。上の朱印は「志賀海神社」で、昭和17年の『惟神の礎』にはこの印が掲載されている。下の印は「官幣小社志賀海神社々務所」。
(3)昭和17年発行の『惟神の礎』(紀元二千六百年奉祝会編)に掲載されている印影。
【1】神宮・官幣大社の御朱印(1)
【2】官幣大社の御朱印(2)
【3】官幣大社の御朱印(3)
【4】官幣大社の御朱印(4)
【5】官幣大社の御朱印(5)
【6】国幣大社の御朱印
【7】官幣中社の御朱印(1)
【8】官幣中社の御朱印(2)
【9】国幣中社の御朱印(1)
【10】国幣中社の御朱印(2)
【11】国幣中社の御朱印(3)
【12】官幣小社の御朱印
【13】国幣小社の御朱印(1)
【14】国幣小社の御朱印(2)
【15】国幣小社の御朱印(3)
【16】別格官幣社の御朱印(1)
【17】別格官幣社の御朱印(2)